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空〜KU〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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空〜KU〜 6

…とりあえず冒険者ギルドで鬼の首を換金、先程の酒場で改めて…。
「かんぱーい!」
かなり強引に、精霊使い砂原舞姫が仲間となった。
「これからどうする?」
武器屋の親爺(まだ飲んでた)の問いに三人の答えはひとつ『鬼退治』だった。
「…ま、頑張れ…。」
まあ宿代程度は稼げたし、『見物料』だと言って他の冒険者達が鬼退治に必要な消耗品…使い古しや余り物ばかりだったが…を分けてくれた。この街を拠点にそれなりの装備を集める旅、というのが当座の目標だろうか。
「まぁ、装備品を集めるとしてだ・・・お前たち・・・」
「なによ!」
「なんですか・・・」
「親に言いに行かなくていいのか?」
「・・・」
「・・・」
二人とも俯いてしまった。
(やばっ!俺聞いちゃいけない事聞いたか?)
「ま、まぁ行かなくていいならいいけどな・・・」
帰る場所自体もう無いのか…?それ以上聞く気にはなれなかった。
「ん〜飲み過ぎたぁ…もう寝るっ!」
舞姫が席を立つ。まだ一杯目だろ?と言いかけた香月だったが、これ以上の失言は避けのようと発言を控えた。
「僕も…そろそろ…すみません…」
同じく影汰も席を立ち、香月と親爺の二人だけになってしまった…。
「……」
ぐっとグラスを空け、不機嫌そうに二杯目を注文する香月。
「親爺!朝まで飲むぞっ!」
…ったく…世話の焼けるガキ共だ…。

その頃舞姫と影汰は・・・
宿の部屋に向かう途中・・・
「影汰・・・あんた私がどうしてここに来たか教えて上げようか?」
「えっ・・・」
影汰は舞姫の話を止めようとしたが舞姫が影汰の言葉を遮り続ける。
「砂漠の民って生活がとっても大変なんだ・・・私の家族・・・生活が出来なくなってね・・・私を売春宿に売ったのよ・・・」
最後は涙声で言う舞姫。
―ぐぃ―
影汰は舞姫の腕を引っ張り抱き締める。
「影・・・汰?」
「すいません・・・こんな事しかできなくて・・・泣きたいなら泣いてもいいですよ?」
影汰の言葉を切っ掛けに舞姫は杓りを上げ泣きだした。
(あなたの気持ち・・・わかりますよ・・・僕も・・・同じようなものですから・・・)
声にはださず黙って舞姫に胸を貸す影汰だった・・・

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