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空〜KU〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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空〜KU〜 3

「退場っ!」
チンピラが一回転して、ステージから放り出され頭から酒樽に突っ込んだ。ギャラリーから歓声と爆笑が起こる。チンピラの飼い犬3匹が香月を囲み、抜き身の得物をちらつかせる。
「そうこなくっちゃあなぁ?」
気合一閃、一呼吸で抜刀、そして納刀…。
「また…つまらぬ物を斬ってしまった…」
一瞬キョトン、とする子分たち。どうにか樽から脱出したチンピラが怒鳴り散らす。
「げへっ…うえっ…かまわねぇ!ぶった斬れ!」
「はいはい、やって貰おうじゃあないの?」

我に返った子分たちが再び剣を振りかざす…しかし柄を通した感触がおかしい…やけに『軽い』のだ。
「実戦で居合は初めてだったんだけどな、うん。」
彼等の剣、いや刀身の切り落とされたそれは、剣とは呼べまい。
…ぽろり…香月の居合は、傍らで成り行きを見守って居た少女の腰紐まで斬っていたようだ。淡い茂みと桜の花びらがステージで晒された…。
「ばかぁっ!」
どむっ…少女の渾身の蹴りが香月の睾丸を捉えた。(再びギャラリー爆笑)
「何してやがる!剣で勝てねぇなら銃を使え!」

剣を放り出し、懐から大型拳銃を抜き放つ。引き金が絞られ3発の銃声が響き渡った…。
「うう〜子供がつくれなくなるぅ〜」
しかし銃弾が、香月を貫いた様子はない。むしろ少女に蹴られたダメージの方が…(合掌)。ヤケクソで連射しようとする子分たちだったが、発砲できない…それどころか空撃ちの金属音すら起こらないのだ。
「てめぇっ!今度は何しやがった?」
チンピラの問いに、硝煙の上がる、22口径リボルバーを構えた影汰がおずおずと答える。
「あの…撃鉄の折れた銃で…人は撃てないと思います…」

「何ぃ!」
1人が怒声を上げる。他の1人が自分の銃を見て、「ぎえええ!マジに撃鉄潰してやがる!あわ、あわ・・・・」
「怖ぇぇ嬢ちゃんだぜ・・・おい、ずらかるぞ!」
『へい!!!』
さすがに危険を感じたチンピラは手下共々駆け去っていった。
見送りながら影汰がつぶやく。
「僕・・・男なんだけど・・・。」
「影汰・・・ナイス・・・」
ぴょんぴょん跳ねながら近づく香月。
「香月さん・・・大丈夫ですか?」
「あぁ・・・なんとか・・・くぅ・・・痛てぇ。」
香月はゆっくりと席に着いた。






しばらくして・・・
「ねぇ!貴方達!」
香月達が振り向くとさっきおもいっきり香月の股間を蹴り飛ばした少女が立っていた。

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