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錬金術師カノンと五聖麗
官能リレー小説 - ファンタジー系

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錬金術師カノンと五聖麗 34


「さすが共同都市と言ったとこだな。」

「うん、人の家とエルフの家のいいとこ取りだね。」

一見、個々で葉の色の違う大樹がはえているだけに見えるがよく見ると根の辺りに扉がついていたりさきわかれした枝から煙がでていたりする。そして、回りはキチンと舗装され家の部分だけ土となっているようだ。まさに人の知恵とエルフの自然を重んじる心の融合都市と言ったところだろう。

「お二人とも気に入って頂けたみたいでよかったです。ここはキノコ類やフルーツを使ったお料理が美味しいんですよ?」

にこやかに話すエリザ。



「ほぉ、なら丁度腹も空いたところだし、郷土料理でも食べたいのだが、何処か良い飲食店あるか?」

「はい。では、私がお薦めする料理店をご紹介します」

「ああ、頼む」

そして一行は数十分程歩き、エリザが薦める店と思わしき場所で立ち止まった。

「ここが、私のお薦め店『セルリアン』です」

「ほぉ、ここが……。では、早速入ってみよう」

「うん。何があるのか楽しみね」

そして一行は店内に入る。

「へぇ、中々に洒落たいい店じゃない?」

アセリアが素直にお世辞などではなく本当にそう思った。

「いえいえ、有難うございます」

「え?有難うって……君はここの店員か何か?」

「はい、一応そうなりますね。ここの店長は私の育ての親なんです。ですから、騎士の仕事がない日はいつも此処で手伝っています」

「成程」

「では、好きな席に着いて寛いでいて下さい。私はお義父様に言って来ますので」

「分かった。お言葉に甘えさせてもらおう」


エリザが奥に行くとやたらバカでかい声が聞こえてきた。

「ガッハッハッハッ!そうかそうか!!あの、お前が助けてもらったのか!!」

「もう………きいよ!」

エリザも何か怒鳴ってはいるがはっきりは聞こえない。
よっぽど声がよく通る人物なのだろう。

「それじゃあ、とうさんもお礼言わなきゃいけないな!!その、お客まで案内してくれ!!!」

どうやらエリザの義父らしいが普通に話す声でさえここまで響く。

「なんか、凄いのが出てきそうだな。」

小声でカノンはアセリアに耳打ちした。



キィィ…

ちょうど厨房のドアを開き義父とエリザが出てきたのに驚き慌ててカノンは姿勢をただす。

「おお!あんた達がエリザを助けてくれた人か!!エルフの流儀だ!今日は心行くまで食ってってくれ!」

(タイミングわりぃよ!ってかお前エルフかよ!!)

心の中で悪態をつくカノン。
カノンがそう思うのも無理はないだろう、耳こそ尖ってはいるが毛むくじゃらの髭に、二メートルはあろうかと言う身長、筋肉のお化けのようなマッチョ具合、ドワーフと名乗った方が寧ろしっくりくる。

「あ…ありがとうございます。」


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