錬金術師カノンと五聖麗 17
「カノンって追試でカオスゼクスに行った奴だろ?」
「そうよ!それよりあなた、誰よ!」
「おやおや、貴族のお嬢様は気が強いねぇ〜。俺はスパイム・ケルファン、伝説になる男だ!」
「スパイムって…あのサボリ魔の!落第すれすれのくせに伝説って…」
「この学園が俺の器に合わないだけだ。それで…君達は彼氏を追っかけて二人だけでカオスゼクス山に挑むと…」
「ええ。」
「私は妹のお守りだけどね…」
「くくっ…ぷはははっ!いいねぇ、その心意気!いよぉ〜し!このスパイム様が一緒に行ってやろう!」
「「…えぇ?」」
「こう見えても俺は大国主催の騎士団も参加する闘技大会で優勝した事がある。役に立つぜ?」
「でも…授業は?」
「んなもん、いつでもできるじゃねぇか!じゃ、ちょっくら愛剣と金を持って来っから待ってろ!」
そう言い残すとスパイムは男子寮へと駆けて行った。
十分後、学園正面門…
「出発だぁ!はっはっはっ!」
こうして奇妙な3人組がカオスゼクス山へと向かった。
時は経つ事、三日…
「アセリア…日も暮れたし今日はここまでだ。」
「えっ?まだまだ頂上は先だし登れるだけ登りましょうよ。」
カノンはその答えにいぶかしげな顔をした。
「辞めとけ、夜になればウイングスネークやヘルバッドの大群が巣穴からででてくるし夜行性で強い魔獣どももさ迷い出す。まぁベリガルほどじゃないとは思うがな…」
「でも、こんなところで野宿しても危険なのは変わらないと思うけど?」
「安心しろ。」
そうゆうとカノンは地面に手をつきあっという間に石造りの家を立ててしまった。
「野宿じゃない。」
「いや、それはそれでちょっと…」
「フッ、それこそ要らぬ心配だ。」
「えっ?どうゆうことよ?」
「俺はまだ胴を斬り放されたくない」
そうゆうとカノンは家の中に入って行ってしまった
「ちょっと、何よそれ!!皮肉?」
膨れっ面でアセリアは家のドアを開いたがそこに広がる光景にアセリアは驚愕した。
「何よこれ…」
そこには食卓には既に食器と夕食が並べてあり暖炉には火がついていて奥にはバスルームのような物までみえる。ここまであの一瞬で作れるとは予想だにしていなかったのだ。
「ん?どうした?」
カノンは席に付き当たり前のように肉を食べている。
「もしかして、これも錬金術?」
「そうだ。俺特性持ち運び可能な携帯ハウスだよ」
「ホント貴方って規格外ね。でもそれって才能の無駄遣いにしか見えないんだけど・・・・・・」
「まぁ、時々自分もそう思う」
「ふ〜ん。そうだ、話しは変わるんだけど、カノンは学院での成績が悪くて追試の為に来ているって言ってたじゃない?どう見ても知識が豊富で成績が悪い様に見えないんだけど・・・・・・それに魔物とかに遭遇しても、驚かず常に冷静なのは何で?」