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妊腹の魔女
官能リレー小説 - ファンタジー系

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妊腹の魔女 10

初めはこちらを見ようともしなかった。彼女を連れてきた魔女が言葉をかけ、ようやく目が合ったのだ。
そして、イリアは息を飲んだ。
あまりにも不思議な目だった。灰色、しかし見ようによっては緑にも青にも見える、不思議な色合いの虹彩。瞳孔の周りは仄かに赤く煙っているようだ。
ぱち、と火花が散った気がした。
イリアが何も言えないでいると、付き添いの魔女が気を利かせたつもりか、その少女の車椅子を押し、イリアの元へ連れてきた。
逃げられない。何故だか、本能でイリアはそう感じた。
…そんなことではいけない。
「ありがとう、後は二人きりにして下さい」
勇気をふるって付き添いの魔女に告げる。
そして、イリアは床に膝をつき、少女…フレジェと目線を合わせた。


イリアは両手をきつく握りしめた。
…はじめまして、フレジェ。私がイリアよ。
そう言った自分は、果たして笑顔だったのだろうか。
フレジェはわずかに頷いた…ように思った。
しかし、その直後、イリアの精一杯の微笑みはかき消されたのだ。
師弟の誓いを立てるため、フレジェを車椅子からおりてひざまづかせた。危なっかしい動きについイリアは警戒を解き、優しく彼女を支えたのだった。
その時、妙な重さを感じた。
こんなに痩せているのに?
違和感を感じ、手がおろそかになる。と、フレジェはバランスを崩し、横倒しに転んだ。
目の奥に焼き付いて離れない。ふわ、とワンピースと何重にも重ねたペチコートが舞い、白いレースの海から、巌しい鋼が現れた。
はっと息をのむ。
文献で見たことはあった。だが、旧世界の遺物だと思っていた。
まさか、そんな……!
まさしくそれは、貞操帯…。
重い鋼鉄の、華奢な性器を覆う呪縛だった。

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