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妊腹の魔女
官能リレー小説 - ファンタジー系

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妊腹の魔女 16

話しながらふと目をやると、いくつもの不安そうな視線にぶつかった。いけない、脅えさせてしまった。
「滅多にあることではないのよ。きちんと順序通りに練習すれば大丈夫。小ワームの次はスムースワーム、それから大ワーム、寒帯ワーム、亜熱帯ワーム、岩石ワーム。大きく分けると6種類ね。それぞれ特性があります。この後は各自、小ワームについて予習していらっしゃい。明日は小ワームの講義、明後日は実際に妊娠します。では、解散」
少女たちは思い思いに書庫や私室に向かう。全員が講義室から出たのを確かめ、イリアは私室に戻った。
学園で出される最初の課題がワームなのは助かった。さすがに岩石ワームあたりになると無理だろうが、軟体のワームなら、フレジェの貞操帯のことは気にせずに済む。
机の抽出を開け、小さなカードと古語辞典を取り出した。まだ解読には時間がかかりそうだ。
イリアは何度目かのため息をついた。
翌日。
「小ワームは成体で全長40クエル以下、直径3クエル以下のワームよ。湿った暗がりを好みます。どうしてか分かる?ミゼット」
講義室ではイリアによる小ワームの授業が行われていた。指名されたミゼットが立ち上がる。
「ええと、小ワームの表面は薄い粘液層だけなので、乾燥から身を守ることができないからです」
「そうよ、よく勉強しているわね。小ワームの特徴は軟骨格と粘液層。それを活かして主に魔女の子宮に潜り込み、卵を産んで増殖するの。
一度に産まれる幼体は5から12、最高61体が記録されているわ。宿主の魔力の強さと関係するようね。
だから、清潔でない場所では寝ない方がいいわね。害はないけれど、あまり気持のよいものではないでしょう」
言いながら、イリアは軽く手を振り、空中に実物大の虚像を浮かべてみせた。その昔、彼女自身が産み落としたものだ。
蛇のようにくねくねとうごめく、そのグロテスクな外見に少女たちは悲鳴をあげる。
やっぱり嫌よね…
かつて自分がそうであったように、彼女たちの気持ちは非常によくわかる。イリアだってできれば他の魔物で代替したいところだ。
しかし、年に二回行われる魔力測定にもワームが使われるということもあり、採用したのだった。レーミアに聞いたところ、彼女も全く同様の理由でワームを採用したのだという。親の心子知らず、だろうか。
のたうつワームの映像を消し、イリアは説明を再開した。

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