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妊腹の魔女
官能リレー小説 - ファンタジー系

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妊腹の魔女 14

渡されたカードに書かれていたのは、2行。しかし、複数の言語に精通するイリアをもってしても、全く読み解けない。
その後、フレジェと話をする機会がないままに、とうとう最後の一人の棒が外れた。

教室に揃った魔娘たちを、気掛かりなことはあれ、イリアは笑顔で見渡す。
月齢順に、右から左へ。魔姉から魔妹へ。
最年長のルシルは艶やかな黒髪を巻いて垂らし、やや緊張した面持ちで座っている。次はミゼット。すらりとした手足を折り畳むように、少し窮屈そうだ。
そして、女王ファーナの娘ソアラ…
母から譲り受けた類い稀なる美貌に、内面から溢れ出す知性と気品…かつてのファーナがそうであったように、ソアラもこの短い期間に周囲からリーダーとして一目置かれるようになっていた。
月齢順で一番末の魔娘…イリアの娘であるミスティが最も小柄であり、無邪気で愛嬌たっぷり、全く落ち着きのない少年のようなのとは対照的であった。

ソアラの隣には、留学生だというメトセラ。気負いのためか、まるで睨むようにイリアを注視している。
視線に気づいて、イリアは微笑みを返した。
そんなイリアに冷水を浴びせるような目を向けたのは、エレという魔娘。彼女にも特殊な事情があると聞いている。両耳を被う豪奢なヘッドギアは、その証。
…前途多難な人選ね。
いいだろう。投げ出すつもりはない。
そしてお下げのシンシアと、双子のフォッセー姉妹、ジジとダリ。二人とも同じ顔に青い目と栗色の髪だが、姉のジジは長い巻き毛で妹のダリは少年のようなショートヘアと、ずいぶん印象が違う。
最年少のミスティが端、さらに車椅子のフレジェが横に来て、10人の魔娘たちがじっとイリアに注目していた。

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