大陸魔戦記 76
「…はあ…はあ…」
「…本当に、大事にしたいぐらいに可愛いな…」
とろけそうな顔で息を整えようとするセリーヌを愛おしそうに抱きしめ、ジルドは息を漏らす。
「…でも」
躊躇いがちに続けたジルドの指先が、下腹部に滑り込む。
―――くちゅっ
「っ!」
セリーヌの体が、大きく跳ね上がる。
「すごいな…俺に触られて、こんなに気持ちよく…」
「い、言うな…」
ただ純粋に、感心したように言うジルドに対し、セリーヌは羞恥のあまり顔を背けてしまう。
「……じゃあ、もっと気持ちよくしてやる…」
「えっ?あっ、ま、待てジルド、その―――」
―――ぐちゃっ
「あっ!あ、あぁ、ああぁ……っ!」
ぐちゃっ、にちゃっ
「はうぅぅうんっ!」
たった二、三度秘裂を指でさすっただけで、セリーヌは派手にのぼりつめ、ジルドに体を預ける格好となる。これには流石に、ジルドも驚いてしまう。
いくらなんでも、感度が良過ぎやしないか―――
だが、すぐに思い当たる節を見つけた。
「セリーヌ…まさか、ずっと我慢していたのか?」
その問いかけに、彼女は微かに首を動かした。
「…だって…果ててしまったら、そこで終わってしまう気がして…」
上目遣いにぽつりと呟くセリーヌ。そんな彼女を安心させるべく、ジルドは微笑んでみせた。
「……心配するな。何回果てようが、最後まではちゃんとやる。だから、我慢なんかするな」
その言葉に、セリーヌは安堵の息を漏らすが。
その手は、セリーヌに対する欲情を示す愚息をしっかりと掴んでいた。
「…今は、もう我慢ができぬ。早く…ジルドを感じたいのだ…」
言いながら、彼女は下半身を覆う衣服を自ら脱いでいく。
「なあ…もうよいであろう?」
今にも食いつかんとする妖しい笑み。露わになった秘裂から透明な媚液が滴り落ち、敷いたマントを濡らす。
「…いや、まだ…」
しかし、ジルドは躊躇いがちにかぶりをふる。途端に、セリーヌは非難の目を注ぐ。
「何故だ?我を焦らす気か?」
「いや、そうではない。その…」
どうやら言うのが気まずいらしく、先程からあらぬ方向に目を向けている。
が、ややあって口を開く。
「……一度出さないと、すぐに堪えられなくなりそうなんだ…」
なるほど。セリーヌは合点がいった。
先程の撫で合いで、セリーヌは絶頂に達した。しかしジルドは、セリーヌの手が濡れそぼってしまう程に先走りを生じているにもかかわらず、達してはいない。
「…すまない…我だけ満足しようとして…」
セリーヌの頭が、ゆっくり下りていく。
ヌルヌルになった手が再び棹を扱き始め、ジルドは声を漏らす。
「…手伝うから…許してくれ…」
情欲と罪悪感がないまぜになった、なんとも熱っぽい目―――それも、上目遣い―――で見つめられる。