大陸魔戦記 1
「いやぁぁぁぁっ」
撤退を命じる伝令の復唱を、付け火に興じるゴブリンの狂笑が遮り――
死を覚悟した騎士たちの鬨の声を、幾万の軍勢の滾る歓声が呑み込んでいく。
崩れ落ちる城壁の轟き。
炎に炙られた木々の弾ける音。
逃げ惑う人々の断末魔。
好ましい音は聞こえず、より醜い音が都を覆いつくす。
それらの阿鼻叫喚の内にあっては、破瓜にむせび泣く少女の悲鳴も、ただ喧騒に紛れるのみであった。
「嫌…ひぐ…こんなの…」
凶暴なオークたちは、人の優しい行為など知らぬ。ただ本能の赴くままに、青い媚肉を貪るのみ。
絶望の声を漏らす少女の秘処に流れる鮮血も、オークの巨大な生殖器からあふれる先走り汁と混ざり合い、薄紅色に薄れていく。
「痛っ…あ…ひっ…」
抵抗とも悲鳴ともつかぬ少女の声も次第に弱まり、やがて諦めたのだろう、僅かな啜り泣き以外漏らすこともなくなった。
そのような少女の態度に、ふと、膣を貫いていたオークが嗤う。少なくとも少女にはそう見え、僅かに残る理性がそれをいぶかしんだ時。
びゅる、びゅるっ、びゅるる――
「ぁ……そんな」
オークたちの凶暴な精が、少女の膣内に流れ込む。濃い体液が自らの体内に粘りこくまとわりつくのを感じ、少女の瞳に絶望が宿る。だがその暗い瞳もある一点を向いた時、そのまま固まる。
満足げな仲間を無理やりどかし、次は我が、と迫りよるオーク達の禍々しくそそり立つ物を見て、麻痺していた恐怖が再び蘇ったのだ。
「も、もう許して! 壊れちゃ…ひゃぅっ!?」
オークに人間の言葉の通じるはずもなく、また通じたとしても彼らがその願いを聞き入れるはずもなかった。
だが、次第に少女の顔に戸惑いが浮かぶ。
「え……ぁ」
凶暴な律動に順応するかのように、体が火照ってきている。最初こそごく僅かな変化であったが、やがて漏らす吐息が、白き肌が、体の高揚を示すように桃色に染まっていく。やがて少女が認めざるを得ないところまで。
「ぅ、嘘っ! ひゃうっ、ん…な、んでぇ?」
その様子を見て、オークたちが先ほどと同じ笑みを浮かべる。
オークの精液に性感を高らしめる毒素が混入されていることなど、一介の町娘が知るはずもなく。
「あ、はぅ…そ、んなのって…」
生殖器同士が擦れあう快楽に少女は胸をときめかす。
「ひ、あ、あん…わたし、お、犯されてるのに、ひゃうっ……気持ちよく、ん、なっちゃいけない、のにぃ…」
見計らうようにオークが少女の弱い処を、突く。
「あ、イイ……」
その瞬間、少女は堕ちる。
目の前に現れる逞しいオーク達の男根。
「もっと…」
うっとりと呟き、オーク達を品定めするように目移りする少女の瞳に、もはや嫌悪はなく、ただ快楽への期待を宿しているのみであった。