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大陸魔戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大陸魔戦記 73

「セリーヌ」
「心配、するな。明日からは弱音を吐いたりはしない」

 思わず咎めるような声を出したジルドに、皇女は笑って見せたが。

「だが、今は――」

 そう言って、ジルドの胸にもたれかかり、その顔を見上げる。

 今は。今だけは。

 もう、その先の言葉は、いらなかった。
 彼は、その瑞々しい彼女の唇に、己の唇を這わせた。

「ん…ちゅ、ふ……ん」

 舌の先が交じらわせる、深い口付け。

 最初は唾液を混じらす程度の物であったが。
 舌が絡まりあう度に、それは、激しく相手の口内をかき回し始める。

「ふ…んあ、ジル、ド……ふぁ」

 その激しさを、むしろセリーヌは求めるように彼の名を呼ぶ。

「んん! あふっ…ジルド、ん…ぷはっ、ジルドっ、んちゅ…」

 何度も、何度も。
 縋るように、その名を呼ぶ。

名を呼ぶ度に、目の前の男はそれに応えるかのように激しく口付けを交わす。次第に間隔が消えていき、互いに息すらできないものへと変わっていく。
「んちゅ…ふぅ…んんっ…ふぅん…っ」
「ん…ちゅ…んん…」
くぐもった声と淫猥な音を響かせながら、二人は互いの舌をねっとりと絡ませ、熱い吐息と唾液を交換する。
やがてジルドは、自身をまっすぐ見つめるセリーヌの目が恍惚を映し始めた事に気付く。
「……ぷはぁっ」
唇を離すと、名残惜しそうに伸びた唾液の糸が軽くたわむが。

「…もっと、欲しい…」

言うか言わないかのうちに、セリーヌは離れていったジルドの唇を追いかける。そして再び触れあうと、今度は離すまいとばかりに貪り始める。
「ん…ちゅ…ジルド…あふぅっ…ジルドォ、ッ…」
不安にかられるのか、しきりに彼の名を呼ぶセリーヌ。それに気付いたジルドは僅かに微笑み、彼女の頬を両の掌で挟み込む。無理やり顔の距離を開けさせると、セリーヌはせつなそうな声を上げた。
「…ジルド…」

「…大丈夫だ。俺はどこかに消えたりはしない」

それだけ言うと、掌を頬から離す。途端に彼女は再びジルドの唇を貪り始め、更に首に手を回して離れないように密着させる。
そうすると必然的に、セリーヌの豊かな膨らみがジルドの体に押しつけられる形となる。

彼の胸を圧迫する柔らかな感触。

そして、いまだ続く情熱的な接吻がもたらす熱い吐息。

情欲をそそる二つの感覚に、ジルドの欲望はその存在を誇示するように硬さを持ち始め、対照的にセリーヌの体はゆっくりと弛緩していく。

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