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大陸魔戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大陸魔戦記 42

しかし、壁にはりついた氷の拘束はびくともせず、更に恐怖と焦りを生む。
顔を強ばらせていく兄妹に構わず、ジルドは今まで数々の女性を堕としてきた魔性の薬をそれぞれの局部に盛っていく。そして巨剣を握りなおし。
「…纏え、氷鎧の枷!」
二人の腹部に押し当てた。しかし傷はつかない。同時に氷の拘束が解け、二人はその場にくずおれる。
「…て、てめぇ…な、何を…っ!」
早々に湧き上がっていく疼きに耐えながら、ディリスはなんとか声をしぼりだす。ジルドは空になった瓶を無造作に投げ捨てながら、二人に背を向けた。
「…お前達が快楽を得そうな所に、氷の殻を作った。ひと月は溶けない」
「ふうぅっ、ど…どうし、て…」
ディリスのそれよりも遥かに強い疼きに息も絶え絶えになるアメリア。そんな彼女に、ジルドはあくまで淡々と答える。
「その殻は、お前達の主への挑戦状だ。そして」
そこで一旦言葉を切り。
「……セリーヌ姫を”牝犬”呼ばわりした事と、数々の女性を堕としていった事への……罰だ」
その言葉には、怒りという名の感情があった。だが、二人はそれに気付かない。何故なら。
「…くぅ、んふぅ…っ!から、だが…熱いぃ…っ!」
「ぐっ、がはぁ……」
適正量を遥かに超えるブラッディ・ローズを盛られた二人の身体は快楽を求め、のたうち回っている。しかし、局部を氷の殻に覆われているために、自らを慰める事すらかなわない。
しかし、それでも何とか残っている理性で何事かを呟くと、二人の体は景色にとけ込むように消えていった。
「…術式…悪魔、それも淫魔の類だったか」
特に驚くわけでもなく、ジルドは呟く。
(…詮索は後だ。今は姫を…)
そう思い直し、セリーヌが拘束されていたベッドに歩み寄る。
半裸の状態で横たわる姫君。媚薬によって、今まで味わう事のなかった未知の感覚に翻弄された彼女の瞳は暗く濁り、どこを見ているかすら定かでない。だがそれを見たジルドは、再び安堵の息を漏らした。
見たところ、意識は朦朧としているようだが堕ちてはいない。おそらくは、じっくりと堕とそうと思ったのであろう。
(…これなら、まだ大丈夫だ)
一応はブラッディ・ローズについて知っていたジルドは、そう判断した。適正量さえ守れば、ブラッディ・ローズは他の媚薬とほとんど変わらない。
ジルドは抜いたままの巨剣を鞘に収め、いつものように背負う。その後でセリーヌを抱きかかえる。そういえば他にもう一人、少女がいたはずと思い、辺りをざっと見回す。

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