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大陸魔戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大陸魔戦記 19

「ん? なにが?」
「スパイ侵入大作戦よ!」
 思わずバラッティ命名の作戦名を採用してしまうシャンティ。
「そうだけど?」
「なっ! だって貴方、わたくしがこの作戦を提案した時、胸を張って大丈夫だって言ってたじゃありませんか!」
 焦れるシャンティの声に、バラッティはしかしまるで取り合わない。
「心配するなよ、ベイビー。なぜなら」
「…そ、そう?」
 流石に何らかの対策を考えていたのかと、シャンティは相棒に期待の眼差しを向ける。
 そういった相棒のいろんな何かを、全て吹っ飛ばすような笑みを浮かべて、バラッティはこう言ってのけた。
「なぜならあたしの使い魔くんは完全無欠、常勝不敗の黒蝙蝠、だ・か・ら(ハート)」

 ブチッ

「………わよね?」
「あ、本当に大丈夫だって」
 からかい過ぎたかなと、バラッティが肩を落とした相棒を心配そうに慮るが。
「わたくし、以前、親バカもいい加減にしないと縊り殺しますよって、と忠告して差し上げましたよね?」
 顔を上げたシャンティの顔は、もうなんていうか、不気味なくらい爽やかな笑顔である。
「いや、後ろになんか付け足されてるし」
 そんなバラッティの突っ込みなどもはや眼中にないかの如く、シャンティはその笑みのままブツブツと呟き始めている。
「一度言った事は果たすもの、可哀想と思うは愚の骨頂、情け無用で誅殺あるのみ、そうお母様も仰ってます、しかし一人でこの重大なる任務に当たるには差し支えが生じると言わざるを得ません。難しい問題だと思いますか? ええとびきりの難問ですとも、貴方を縊り殺してオークの餌にしてしまいたいのは山々なれどまだ死んでもらっては困るというこのジレンマ、嗚呼! ってシャンティ、取り乱してはいけませんわ、冷静に冷静に。そうですわね、ここは一つ妥協するとして、串刺しの刑ですかそれとも市中引き回しの上獄門ですか・・・」
 一人延々と問答を続けながらうんうんと頷くシャンティに、流石のバラッティも身の危険を感じて青くなる。
「あ! 薬草切れてるわ、ちょっくら取りにいって」
「ちょっと」

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