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大陸魔戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大陸魔戦記 153

「ぁんっ!ひゃぅ!ふあっ!」
突かれた事を認識するとほぼ同時に、勝手に嬌声が漏れる。体中が強ばり、一方で弛緩し、とろけきった思考の指示などどこ吹く風。そのうち彼の背から腕が滑り落ち、体がベッドに沈み込んでいく。
するとジルドは、抱きつくどころではなくなってきたアグネスの背に腕を回した。ゆっくりと抱き寄せ、抽挿を弱くして、眼前で再び微笑。
それにつられ、安らいだ笑みを浮かべた瞬間――

一撃が、叩き込まれた。


「……ぁ、ん……っ」
飽和寸前にまで高められた充足感に身を震わせながら、彼女はいつの間にか閉じてしまった目を開けた。
するとそこには、既に服を着た愛しい男の姿。絶頂の余韻に浸っていたアグネスを心配していたのだろうか、表情にやや陰りが見える。
だがアグネスの思考は、現在復旧作業中。それがあまり認識できなかった。
「気持ちよかった……」
そのせいか、普段とはまるで違う口調で、絶対に言わないような台詞を呟きながら、ジルドの体を引っ張った。
ところが、それに対するジルドの反応は予想よりもだいぶ違っていた。
「なっ……ア、アグネス、寝ぼけてるのかっ?」
明らかに困惑しながら、引き込まれまいと抵抗する。アグネスにはそれが気まぐれな拒絶に見え、不満でたまらない。
「……素直なのは好きと言ってくれたくせに」
口を尖らせ、非難がましい目で彼を睨みながら、掴んだ服の裾をぐいぐいと引っ張る。
だがジルドはその程度で動いてはくれない。その事がだんだんともどかしくなってくる。
だから、口を尖らせ更に強く服を引っ張った。ついでに甘い声でジルドを誘う。
「もっとしてぇ……」
「ア、アグネス、もう朝だぞ」
「朝なんかどうでもいいからぁ……」
「どうでもよくなんか、ってうわ!待て!そんな格好で擦り寄らないでくれ!」
「あ♪おおきくなってる♪」
「や、やめろ、ズボンの上から」
「布越しなのに、熱い♪」
「……」
不意に溜め息。ジルドのものだ。
どうしたのだろう――ぼうっとした頭でぼんやりと考え、アグネスは顔を上げた。

鈍痛。

「っ!」
じわ、と広がっていく痛覚刺激に、思わず息を呑んだ。
「女性に手を上げるのは好きではないんだがな……目は醒めたか?」
その声を聞き取ったらしい。ジルドがアグネスの頭上に落とした平手を上げ、やれやれと肩をすくめた。
どうやら痛みの原因は彼のようだが、悪びれた様子はない。はっきりした思考で状況を把握したアグネスは、途端に腹立たしさを感じた。
「いきなり何をする、痛いだろうがっ」
沸き上がる怒りに任せ、声を荒げる。

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