大陸魔戦記 143
その顔に浮かぶのは恍惚と幸福。
愛しい者に抱かれ、愛され、満たされて。二人はただひたすらにジルドを感じ続ける。
――そして。
「あっ、イ…イク…っ、イッ、ちゃうっ!」
「イカせて…イカせてぇ…っ!指でかき回して、イカせてぇっ!」
「…そう、か……俺も…!」
――共に、絶頂。
セリーヌとアグネスは力一杯ジルドに抱きついてそれを感じ、ジルドはセリーヌの中へと、欲望の発露を流し込んだ。
後に残るのは、心地よい気だるさ。セリーヌとアグネスは、ジルドを挟んで寄り添うように、脱力する。
「…中で…ジルドのが、ひくひくしておる…♪」
「体に…力が入らない…♪」
それぞれ、息を荒げながらも機嫌が良さそうに呟く。
だが、ジルドとしてはたまったものではない。自身の愚息は依然として蠢くセリーヌの膣内に収められているし、二人の呼吸や言葉は全て耳元に吹きつけられている。更に、双方の豊かな乳房がひしゃげて形を変える程に、二人はジルドに密着している。
この状況、どう考えても興奮しない方が無理なわけで――
「…んっ♪」
セリーヌが、少しだけ身を震わせながらとろけきった笑みを浮かべ、ゆっくりと腰を回し始める。
「…また、勃ってきおった…♪」
そしてその言葉に、アグネスも反応する。「あぁん…次は私ぃ…」と普段の様子からは考えられないような台詞を言いながら、緩やかにジルドの背に自分の胸をこすりつけてくる。
二人の動きは明らかに、ジルドの言葉を守らずそのまま性の享楽に興じる意志が見え隠れ。
「……はぁ」
それを察したジルドは、嘆息した。
しかし、表情に呆れは全くない。むしろ、それを喜んでいるかのよう。それを証明するかのように、彼は口元に笑みを浮かべると――
「…全く、堪え性のない姫と将だ」
肉剣と指を、深く突き入れた。
「「っ!」」
声すら出す間もなく、二人は身を強ばらせる。その様子を見たジルドは、さっとアグネスの膣内から指を引き抜き、セリーヌの体を持ち上げて愚息を引き抜いた。両者の口から不満げな声が漏れ、秘裂から僅かに白さを帯びた蜜が、とろりと流れ出る。
そして、ジルドは二人を浴槽に寄りかからせると、さっとシャワーを浴びた。
「…続きは湯浴みがちゃんと終わってからだ。でなければ風邪をひいて、二、三日はできなくなるぞ?」
同時に、若干不満げな視線を向ける二人に正論と注意を述べると、再び起き上がった肉棒はそのまま放って、浴室を後にしてしまった。