大陸魔戦記 104
「ジ、ジルドォ!イク!もう…イッちゃうっ!」
責めたてるジルドがあまりにも激しかったのか、アグネスは体を仰け反らせ、日に焼けた赤い髪を振り乱しながら、いやいやと首を振る。
「まだぁっ!ジルド、イカせ、ぇうぁっ!て、ないの、にぃっ!」
「っ、す、済まないっ」
腹を決めたせいか一方的になっていた自分を内心で恥じ、ジルドは慌てて口を離す。
唐突に刺激が途絶えたアグネスの体は、快楽の残滓に体をひくつかせる。が、結局達する事はなく、やがて痙攣は、緩やかな呼吸の律動に変わっていった。
「済まない、君の事を脇に置いてしまっていた…」
目の前でひくひくと動く秘裂から目を逸らし、苦い表情をするジルド。めまぐるしい快楽の波から戻ってきたアグネスは、必死に謝罪する彼の口調が、妙にいじらしく思えてしまう。
「…久しぶりだから、一人だと怖い……一緒にイキたい……」
同時にとても愛おしくなり、無意識のうちにジルドの陰茎を握ってしまう。
謝罪するジルドの顔が、再び快感に歪む。しかしアグネスにそれがわかるはずもなく、彼女は熱心にしごき始める。
――まるで、一つの想いを込めるかのように。
「あぁ…ジルド……」
我知らず、声が漏れ出す。それが合図だったのか、ますます強く、激しく責め立てられるジルドの男根。
ジルドは押し寄せる快楽の波に流されぬよう必死になりながらも、いつでもアグネスを責められるように、彼女の腰を掴んで固定する。
「ジルド…もっと気持ちよくするから…一緒に…一緒に…っ」
とうとう、舌まで使い出す。しごく手はそのままに、唾液をたっぷりと乗せ、広げた舌で亀頭を遠慮なく舐め回す。
唾液が舌を伝う。
男根をしとどに濡らす。
両の手が唾液にまみれる。
陰嚢にまで滴り落ちる。
そして――頂に、さしかかる。
盛んに責め立てられた男根は微かにひくひくと動き出し、快楽の決壊を警告する。それに気づいたアグネスは、亀頭に舌をまとわりつかせたまま、それを軽く口に含む。
「いっひょに…いっひょに…いっひょに…っ!」
うわごとのように呟く、「一緒に」。その言葉に込められた微かな不安を感じ取ったジルドは、機を計りつつ慎重に、目の前の秘裂に向かって舌を伸ばしていく。
その間にもアグネスの責めは激しさを増し、最早いつ欲望をぶちまけてもおかしくない状況を、作り出す。
そして――ついに。
限界を感じ取ったジルドが、舌をアグネスの中にねじこみ、蹂躙する。
アグネスは声なき声を上げ、蹂躙されたそこから、盛大に潮を放つ。
体を仰け反らせたアグネスの口から男根が抜け、精を放つ。
白濁がアグネスの鎖骨、そしてたわわに実った乳房にまとわりつき、だらりと垂れ下がった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ひぃ…ひぃ…ひぃ…」
片や、射精の快感に。
片や、あまりに激しい絶頂に。
互いに、荒げた息を整える。