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蘇る魔神たち〜近代の戦い〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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蘇る魔神たち〜近代の戦い〜 1

これは、産業革命を成し遂げた人類と、蘇った魔神たちとの決戦の記録である。


かつて、魔神の王が幾度となく魔神の軍団を率いて人間社会を脅かした。

だが人間や、エルフ、ドワーフなどの亜人たちは、協力し、剣と魔法で激しく戦い、戦いぬいた。

幾度となく繰り返された侵攻も、度重なる出征による魔神勢力の疲弊、それに勇者たちの働きによって停止し、魔神たちは魔王もろとも魔界へと退いていった。


平和の中、人類同士の戦争は幾度もあったものの、世界全体としては比較的安定した時代が続いた。

だが、人類同士でも争ったことはさまざまな民族に思わぬ屈辱と、思わぬ不平等を露呈した。

人類や亜人の中で、魔法を使える可能性のある者は先天的に決まっており、民族・種族によっては9割以上の者が魔法を習得できたが、別の民族では習得可能者は2割にも満たないといったことがあった。

当然、習得可能者の少ない民族は事態を放置しておけば自種族の立場は著しく悪化する。

そうなれば当然、別の対抗手段を考える者がでてくる。

そう、「科学者」「技術者」たちが出現し、魔法の必要性を減じさせていったのだ。

例えば火箭−ロケット弾−は、火弾の魔法と同じような効果を発揮したし、燃焼機関の登場はウェザーコントロール系の魔法によって然るべき風を得て高速大量輸送を実現していた大型・高速の帆船群の有力な対抗馬となる、蒸気往復動機関などの外燃機関や、後には液体燃料で駆動する内燃往復動機関などを積んだ高速船を産み出した。

魔法学会と科学学会は激しく競い合うようになり、技術発達の加速を呼んだ。
魔術言語によって体内の魔力を使う術語魔法、精霊に呼びかけて力を借りる精霊魔法、信仰する神に資格を認められた者が神に祈ってその力を借りる神聖魔法。
どの分野の魔法使い達も猛烈に精進した。
科学者・技術者たちは必死に研究開発に邁進した。

そんな中、臥薪嘗胆に臥薪嘗胆を重ねた魔王と魔神たちが、再び攻めてきたのだ・・・・。





「アレス、聞いたぞ。お前“勇者”の子孫なんだってな」
「カール、誰がそんな事を…?」
「へへ…連隊中の噂だぜ。我がメインランド王国陸軍歩兵第13連隊には勇者様が居るってな」
「バカバカしい…勇者の子孫なんて国内に10万人は居るよ」

とある田舎道をガタゴトと音を立てて、軍用トラックが十数台の車列を成して走っている。
その荷台の上で揺られているのは若い兵士達である。

目の覚めるような鮮やかな青と赤を基調とした真新しい詰め襟の軍服に身を包み、両肩から水筒と雑嚢(布製のカバン)をX字に掛け、腰に巻いた革ベルトには弾倉と銃剣を下げ、背中には様々な装備品を入れた背嚢(リュック)と丸めたコートを背負い、手には良く手入れされたピカピカの小銃…。

彼らは人間界に攻め込んで来た魔族と戦うために急きょ召集され、僅か数週間の軍事教練を受けただけで前線へ送られる事となった若者達である。

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