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「ただいま」
「おかえりなさい、ゆきさん」
僕はびくっとした。一瞬隠れなくてはならないような気がした。でも、そうではない。みちよも“おかえりなさい”以上の反応はしていない。シェアだから。
僕はリビングに入ってきたその人の方を見た。
メガネをかけている…最初の日、画像を見た時は外していたようで、ちょっと覚えている感じとはちがう。かっこいい系、という感じになっていた。
「ようこそ」
ゆきさん、と呼ばれたその女性は、そう平板調に一言だけ言って部屋に入っていった。
「じゃあ…挿れる?」
みちよは、その後、そう言って、仰向けになった。
膝頭を上げそれを大きく左右に開くその姿を見て、僕は目眩を覚えた。
今までネット上では数百、数千回と見てきた女性器であるが、ナマでこんなにもマジマジと眼見できる現実に感動すら覚えていたのだ。
「どうしたの?」
「い、いや。みちよのちゃんと見れて、嬉しくて・・」
「私だって嬉しいよ。こんなに綺麗な男の人の見るの始めてだもん。」
「綺麗?」
「うん。そういちろうくんのピンク色ですごい綺麗よ。」
きれいなんだ…
そんなこと、考えたことなかった。
他の男のモノなんて、機会あってもまじまじとは見ないから。
「みちよのも、きれいだよ」
“経験が多いと黒くなる”ようなことは読むが、それは俗説であろう、と思う。
本当に、みちよのそこは、きれいだった。
「そんなこと…いわれたのはじめてだよ…ありがとう…ねぇ、やさしく、触ってくれる?」
「う、うん」
僕は、右手をのばし、その真中に、そっと触れた。
「あぁっ…でも、いきなり指は入れないでね…周りから触って…」
カチャッ
さっき閉じた部屋のドアが開いた。“ゆきさん”はメガネをかけたまま、上下エンジ色のジャージを着ていた。
僕たちに何も構うことはなく、ご飯をよそったりお茶を入れたりして、席に座り、小さい声で「いただきます」と言って食事を始めた。
「あうっ…もう少し上…ちょっと出っ張ったところ…」
とは言われるものの、僕はどうしてもゆきさんのことが気になって集中できなかった。
丁度僕らの後方にテーブルがあるために、僕の尻が丸々と見えてしまう・・
下手をすれば、その双丘の奥までが見えているかもしれない?と思うと、みちよどころでは無かったのだ。
「どうした?ちょっと柔らかくなってきた・・」
そんな僕のナイーブさなど気づくはずもないみちよが、不思議そうに顏を上げ、そこを柔んわりと握ってきた。
そしてみちよは、その皮を剥いて、先端に触れた。
硬くなりそうではある、が、やっぱりならない…
「舐めちゃおっかな、その綺麗なの…また仰向けになってよ」
僕は言われるままに仰向けになった。ゆきさんに尻を向けている状況は解消されたが、今度は…まともに目が合ってしまった。
「私の顔に何か付いている?」
ゆきさんは、あくまでも平板調にそういった。そう。目が合って、まじまじ見て、怪しまれてしまったのだ。
「い、いえ…」
「なんだ、そういちろうくん、ゆきさんが気になっていたの?」
みちよは、笑って言った。
「い、いやぁ、っていうか、誰かいる部屋で、こうしているのが、不思議で…」
「何言ってるのよぉ」
そういってみちよは剥けたままの僕のモノを、口に含み始めた。
「あ…シェアだから、当たり前、っていうのは、頭では分かっているんだけど…」
「ふぇあははあ…じゃなくて」
みちよは口を離して言った。
「シェアだから、じゃなくて…例えば友達何人かでカラオケボックスとか、いくらでもあるじゃん」
「それはあるんだ…クラスみんなで乱交、は無くても」
「仲いい人と行くからね」