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みちよは、一瞬言葉を選んだようだった。そして、真剣な表情になった。
「遠い…施設。どこだかは知らされていない。調べようと思えば、調べられるんだけど、まだ学生じゃ、調べて会いに行ってもね。会いに行こうという気は、今はしない。もし、将来落ち着いたら、分からないけどね」
そして、また元の笑顔に戻った。
「でも、そのお金のおかげで、大学に来れた。“奨学金”っていう名の有利子の借金を背負わずに」
僕に向かってニコリと微笑む顔には無理があった。
色白のために、赤らんだ鼻先が嫌でも目に入った。
僕は堪らずにみちよさんの頭を引き寄せ、胸元に誘った。
「無理するな・・大丈夫・・みちよさんは悪くない・・」
「・・・そういちろ・・」
みちよさんの僕を呼ぶ声は途切れ、変わりに嗚咽のような押し殺した泣き声に変わった。
トランクス一枚だった僕と、パンティー一枚のみちよの、肌と肌が触れ合った
僕は、しばらくの間、すすり泣くみちよを、黙って胸に受け止めていた。
「…いつか、子供に会っても、恥ずかしくないような、立派な人に、なりたいんだ…」
「そっか」
「大学を卒業して…そのためには、あと、一人か二人は、生んだ方が…なんだ…」
そういって、また、しばらく、すすり泣くような声に変わった。
「…ごめんね。暗くなって」
みちよは、僕の手をほどき、また無理して笑った。そして、パンティーを下ろして、僕のトランクスも下ろした。
「だから、また、せいし、ちょうだい…」
みちよは、僕の両肩を押してしりもちをつかせた。そして自らもしゃがんで、僕のモノを掴んで、そこに持っていこうとした。
切なかった。手を差しのべたかった。
それが、挿れることであったとしても……こんな話をしたところで、挿れられる状況であるはずがない。
「ごめん」
みちよは僕に覆いかぶさった。
「こっちこそごめん…でも、ありがとう。聞いてくれて」
みちよは軽くキスした。僕とみちよは、こうして抱き合ったまま、しばらく時間を過ごした。
「優しいねそういちろうくん・・私そういちろうくんみたいな男の人始めてだな。」
「僕みたいって?」
「男の人って皆、自分が気持ち良く射精することしか考えて無いと思ってた。」
「ちゃんと相手をイカせる男もいるだろ?」
「うん。でもそれは男の征服欲を満たす為であって・・結局は自分の為なのよ。」
「ふぅ〜んそうなのか。。僕は今日始めてだから、余裕が無いだけだよ。」
「ううん。こんなになってちゃんと私の為に我慢してくれているんだもの。
そういちろうくんには、ちゃんと余裕もあると思うな。」
「あ・・はい・・」
確かにみちよさんに密着している僕のモノは、ギンギンに勃起していた・・
「我慢しなくて、いいんだよ」
みちよはそう言うと、あらためて僕のモノを掴んだ。
僕の体は、挿れたがっている…みちよも、精子がほしい、って言っている。
挿れても、いいのかもしれない。
でも、さっきから2回連続、女子にモノを入れてもらっている…情けない…
「あの…みちよ」
年下のみちよが「そういちろうくん」と呼んだので、僕も思い切って呼び捨てにしてみた。
「僕の方から、挿れても…いいかな?」