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官能リレー小説 - 複数プレイ

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「でも、そのときは、中出しって、怖くなかった?」
「もちろん、怖かった。でも『ゴムしてください』って言ったら、二人に一人くらいはしてくれた…警察がやってるときに来て『ゴムしてる…はい、逮捕』なんてやるわけがない」

 そりゃあ、そうだ。

「でも、すぐに“ゴムは処方箋がないと買えない”なんて強引なことが…」

 そう。コンドームは性感染症の感染防止だけに限定されたのだった。


総べては少子化を食い止める為の索だとはいえ、幾らお上が条例を設け、性の概念を緩和したところで、そんなことは僕みたいな一般庶民には無縁のことだった。
確かに開放的に性を満喫する若者たちは増えはしたが、その一方では、僕のような遊べない男…童貞男は増える一方だったんだ。
まあ、僕の周りの環境が男ばかりだと言うこともあったが、確かに20代半ばになっても風俗に行くこともなく、童貞のダチはごろごろいた。
ネットニュースによると、女の子のロストバージンが下がっているのに比べ、男の童貞喪失が年々上がっているらしいが、それも納得がいった。
何年か前には、そう言って男たちを草食系と言っていたそうだが、その輩は今の世に引き継がれいるのかもしれいとも思った。

それは或意味、性において奔放に箍を外せるのは、男よりも女の子の方なのかもしれない・・
そんなことを、みちよさんとさやかさんに抱かれてみて、僕はぼんやりと考えていた。

 それに、女の子が奔放になれる大きなインセンティブもあったのだ。
「…でも、そのあと、出産育児一時金の大幅増額とか、生まれた子の特別措置とかが次々決まって…もう、いっぱいセックスして子供できてもいいか、というか、作ろうか、って、思えるように、なったよ」

 出産育児一時金、は、もとは、出産のときの費用を健康保険から補助する意味だったけど、あの年から、税金で大きな上乗せがあって。
 若者にとっては“おおっ”と思うくらいの金額になった。(そのためにまた税金が上がったりはした)
 つまり、出産への報奨金のような位置づけになったのだ。

 プラス、生んだ時に“その子を育てない”選択をすれば、両親不明の子供として戸籍登録される…っていう特別措置が誕生した。
 
 この二つを合わせて、子供を産むこと自体が、女子だけができる、大きなバイトみたいになったのだ。
 女子しかもらえない報奨金…ネットでは“男性差別だ”と言われるが、まあ、ちょっと一瞬出しただけの男と、子供を産んだ女子では確かに負荷は桁違いだから、それは仕方ないんだろう。

「みちよさんは…子供…いるの?」
「いるよ」

 みちよはさらっと答えた。
「もちろん、育てない方を選択したよ」
「その子は今、どこにいるの?」


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