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官能リレー小説 - 複数プレイ

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  僕はそんなことを思いながらその雑誌をめくって女子の「最新流行の」服装を見ていた。
 次の季節、夏ファッションになるとどうなってしまうのだろうか…

 そうこうしているうちに、みちよはハンバーグを買って戻ってきた。
(当然代金はきっちり請求された)

 そして、僕とみちよはご飯をよそって、みちよは買ってあったサラダとかを出して、リビングで向かい合ってご飯を食べ始めた。

 みちよは、ちょっと北から来たこと、ここには3月終わりに入ったばかりだということ、大学では英語を勉強していること、学科はほとんど女子なこと、サークルは一応テニスサークルなんだけどみんなセックス目的なんだ、的なことを手短に話した。
 僕も、出身や、大学での学科、男ばっかりだったこと、今のバイトのこと、ついでに今日まで童貞だったこと、などを話した。

 童貞だったんだ、というところにはちょっと笑ってくれた。

 だいぶ打ち解けた感じになったところで、僕は、ちょっと気になっていたことを、聞いてみた。

「ねえ、聞いていい?今の中学や高校で『セックスを積極的に推進』って、実際どんな感じなの?」

  

 みちよは、にっ、と笑った

「…『保健体育の実技でセックスがあった』とか、『クラスみんなで乱交状態だった』とか、聞きたい?」

 僕は、反応できなかったが、みちよはすぐに続けた。

「それは、妄想の世界。実際には、そんな感じではなかったんだ」

 みちよはお茶を飲んで(お茶とかコーヒーも、一応分担金で買っているらしい。僕も飲ませてもらっている)続けた。

「どこのクラスだって、いじめはあるし、キモい人だっているし…誰とでもセックスするわけないじゃない…そういちろうさんの、昔のクラスを思い浮かべて、女子だれとでもセックスできたと思う?」

 僕は、高校一年以前のクラスを順に思い出していた(高校二年以降は理系クラスだったのでそもそもそんな想像は無い)
 たしかに、どのクラスを想像しても、一人や二人は、とうてい勃たない女子は、いた。

「うん、そうでは、ない」

「でしょう…順を追って話すと、あたしが高校一年で入った時…そのときが、政策の転換点だったんだよね」
「そう、3年前の4月」

 ネット上では大いに盛り上がっていたことを覚えている。

「『“未成年の性行為は望ましくない”という過去の通達の効力を停止する』という通達が各学校に流れた…」

 僕は、可能な限り文言を思い出しながら言った。

「そう。でも、それで、何か変わったかというと、その時はそうでもなかった。高校の『不純異性交遊禁止』の校則が削除されたのと、あとは…これは直接関係ないような気はしたけど…女子更衣室を使うかどうかが選択制になった…その時は、使わないを選択した子はいなかった…ああ、あとは健康診断の項目に性感染症が加わった…飲む?あとで徴収だけど」

 そういってみちよは、立ち上がって、大手スーパーのPBで最も安いビール風飲料を冷蔵庫から出して示した。
 税金がどんどん上がる中、これの税率が上がらないのは庶民としては大変うれしいことだ。

「うん」

 みちよはそれを二缶出して、一つをこちらに、もうひとつを自分の前に置いた。


「ちょっと待って、みちよさん、18歳では」
「あたしが飲むのをあなたは見ていない!」
「はい…」

「じゃあ、ようこそ。乾杯!」
「乾杯!」

 安い酒だが、久しぶりだ。一気に缶の半分くらい飲んだ。

「あぁ、うまい」

 みちよもおんなじような感じだった。


「…それより、あたしたちに影響が大きかったのは、援交解禁だったよ」
「青少年保護育成条例の運用変更か」
「そう…お互い同意した中出しなら、条例で規定された『みだらな性交』にあたらない、っていう」


「みちよさんも…援交…したの?」

 いくらそのとき解禁になったとはいえ、僕の身近では、やっている人の話は聞いたことは無かった。
 買ってみようとも思わなかった。当時19歳。ちょっと年下の女子、にお金を払って、という価値があるとは、思わなかった。
 というより、そもそも買おうと思っても金がなかった。

「したよ。まわりでは、しない人の方が少なかったと思う」
「そうなんだ…」
「でも、そんなふうに一気に供給が増えても、買えるお金持ちも限られてるし…バイト料はあっという間に暴落したよ」
「経済の原則だな」

 その辺の話はちょっと聞いたことはある。“安くなった、JKやJCを買った”ようなことを言っていた友達はいた。
“バイト料”って言ったのは比喩のはず。風営法は改正されておらず、店には18歳未満は勤められないのに、出会い系とかではいくらでもJKやJCが買える、っていう不思議な状態が続いている。
 “お上は中出しができないフーゾクを衰退させる気なのか?”という意見もある。そうなのかもしれない。


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