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「けど?」
「そうやって、年上の…お姉さん達…に、日々搾り取られるような感じって…うーん…なんて言うか……というところに、お前の女子大生と温泉スパ企画が来た!で、さっきの人には“明日は、学生時代の友達に呼ばれて”といって、きたんだ」
主導権無いことには変わらない気がするが、ここは黙っておいた。
「そうか、おお、年下とできることは、間違いない」
ここで、のぼるは、少し身を乗り出した。
「それで、せっかくの温泉スパなら、…行ってみないか?」
「は…!」
のぼるが言った場所は、ここから100q近いところの、昔からの温泉地にある、お風呂のテーマパーク、とかいうところだった。
平成の昔には、水着ゾーン、男女別はだかゾーン、ショッピングモール、とあったが、今は一律にはだかで入るのだ、と、聞いた。
僕は、近場の、かつてはスーパー銭湯だったようなところをイメージしていたのだが…
「おい、遠くないか?入場料、けっこうするのでは…」
のぼるは、多少酔った手つきで彼のスマホを操作した。
「高速で、1じかんはん…」
「車は?」
「4人のりの…ガソリン車を一日レンタルで、このねだん…」
確かに、これだったら、行けないこともない。
「にゅうじょうけんは…ここ、けっこう、タダ券が、出回っててぇ…オークションサイトで…」
彼がスマホを操作して見せた画面から考えると、短い時間で、かなり安い…本当にスーパー銭湯的なところと大して変わらない値段で、電子チケットが落札できそうな様子だった。
「わかった。聞いてみる」
確かに、せっかくの機会だ。
僕はみちよに電話した。
みちよは、3コールくらいで、出た。
「あの」
「何?あ、明日のこと?」
「そう。男の友達と一緒に行くけど、は…の、…に行かないか、っていうのだけど、どう?」
「いいじゃん」
あっさり決まって、そして明日はまず僕たちのところからガソリン車に乗っていくことになった。