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「さやかさん…僕は、どうしたら…」
さやかさんは、にっこり笑った。そして、子供に言い聞かせるように、ゆっくりと、しかし論理的なことを、言った。
「各選択肢の、メリットと、デメリットを、並べて、みるのよ」
そしてさやかさんは、紙とペンを差し出した。
ええと
案1 ここでさやかさんに出してもらう
メリット:“痛い状態から速やかに解放される。”
デメリット:“ゆきさんの試験に不合格の可能性がかなり高まる”
案2 ここはそのまま退出し、ゆきさんにはずしてもらう
メリット:“ゆきさんの試験に合格の可能性が高まる”
デメリット:“この状態でズボンを穿いて外を歩くのはかなり困難”
ここまで書いて、こんな状態をゆきさんにどう説明すればいいのだろう、と、案2のデメリットの二行目にこう書きくわえた。
“この状態をゆきさんに見られて心象が悪いのでは”
これだと、案2のメリットがかなり減じてしまう?!
僕は案2のメリットをペンでごしごしと上から消した。
「さやかさん、僕は、追い出されてしまうのでしょうか…」
さやかさんは笑顔を絶やさず言った。
「今日は、そういちろう君が来て、何日目?」
「二日目です」
「仮入居期間は?」
「ええと…一週間です…あ!」
「そう、もし、今日がだめでも、ゆきさんに、もう一回チャンスをもらうことは、できるはず。たまたま勃たないくらいでは、即追い出されないよ。よほど何かあれば別だけど…」
僕の緊張が一気に解けた。
「さやかさん、お願いします!」
いつのまにか、さくらさんはいなくなっていた。うまく逃げた、という感じだろう。
「ふふ・・何だか私、得しちゃったみたい・・」
さやかさんは薄く微笑むと僕の背に腕を回し、唇を重ねてきた。
遠くでキャバ嬢の囃し声と共に、男の野太い声が、何年も前に流行った平成の唄を歌い始めていた。
考えてみると、店の一部を区切っただけのドアも無い空間で、一糸纏わぬ全裸の僕は、
まだ着衣姿のさやかさんに抱き締められているのだ。
枷せられた根元がピクリと疼いた・・
この現実離れした状況に、何処か喜びを感じている自分を、僕は認めずにはいられなかった。
(そう君ってマゾっ気があるのよ・・)
さくらさんに言われた言葉が甦る・・・
僕はそれを振払うかのように、さやかさんの乳房を鷲掴んだ。
「うぅん…」
さやかさんは、ちょっと喘ぎながら、ドレスを脱ぎ始めた。一枚脱いだら、もう脱ぐものは無かった。
僕は露わになった胸を揉み続けた。
さやかさんは僕の亀頭を指で刺激し続けた。
「ねぇ…今日は、わたしが、上に、なろうか?」
「…はい」
僕は、ここで努力して上になるより、そのまま受け身になることを選んだ。
「挿れ易くして・・」
滑りを持った声色で甘く囁くさやかさんは、ソファーに仰向けに寝そべる僕の顔の上に跨がってくる。
目に飛び込んできたさやかさんの濃肌色の蕾みは固く渇いていた。
キスごときで、慣れたさやかさんが濡れることはないのだ。
それに比べて、リングのせいだとはいえ、すっかりと勢り勃った自分のモノが返って恥ずかしくもなる。
僕は慌ててその蕾みに向け、唾液を含んだ濡れた舌を尖らせた。