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僕は、数分間、みちよの動きと声に身を任せた。
そして、みちよの望んだものを…そこへ、渡した。
「ありがとう♪」
みちよは、僕のモノを口いっぱいにして掃除してくれたあと、自らのその供給口をバッグから取り出したティッシュで拭いた。
「い、いや、お礼を言われることでも…」
終わって、気が抜けてしまうと、あれほど抵抗したのが、何か過去のことのように思えた。
「ねえ…あれ、使ってる?」
みちよは、スマホで割と普及している、チャットや無料通話ができるアプリの名前を挙げた。
「ああ…一応」
飲み会の連絡とかにも便利だから、男同士でも使っていた。
「ID交換してもいい?」
僕がみちよの方を見ると、いくらか、顔は下を向き、光のせいか?いくらか顔が赤みを帯びているように感じた。
「別にいいけど」
ここに新たに女子が「友だち」に加わるのは、クラス内でちょっとそのアプリのグループを作るのに盛り上がった高一以来だ。
「ねえ、そういちろう君…これから、さやかさんとか、ゆきさんとか、他の子とか、いろいろ、セックスする機会、あると思うけど…もし、もしだよ…オナニーとか、したくなったら…それ精子もったいないから…あたしに、連絡、ちょうだい…じゃあ、午後の授業行くから」
IDを交換した後、みちよは、そういって、バックを持ち、背を向けて、小走りに去っていった。
僕は、下半身をさらしたまま、呆然としてその場に座っていたが、腕時計を見てあわてた。昼休みが終わってしまう。
急いでパンツとズボンを穿いて、バイト先へと急ぎ戻った。
午後の仕事が始まった。
ふっと、昼休みのことを思い出す。こんな経験、まわりの誰にも話せないが…
でも、まわりの男も僕と同じ非正規社員。シェアに住んでいる人は少なくないのだろうか…
僕は思い切って、次の休み時間に、隣の男の先輩に話しかけてみた。
多分、僕より数年年上の、20代。
「先輩、先輩ってどんなところにすんでるんですか?」
「ああ、この近くの…」
先輩は地名を示し、
「…シェアに住んでるよ」
他のシェアの先輩だ!僕はすかさず、訊いた。
この24時間でいろいろな体験をして、僕は、それが普通なのか、他では、どうなんだろう、とちょっと思っていたのだ。
「あの、シェアって、どんな感じなのですか?」
先輩は、首をひねったように答えた。
「どう、って…あんまりいいものじゃないぞ」
先輩は机上にあったコーヒーを一口飲んだ。
「…うちは、今日は誰と寝る、って決まっているんだ」
僕は、あきら先輩の「ここは、あまり細かい規則は無い…順番を守らなければらならない、とか」という言葉を思い出した。
「まあ、初めはいろんな体験できて楽しかったけどよ・・
やっぱ好みとか、その日の体調とかもあるから、男としてみたら辛い部分もデカイさ・・」
先輩の目の下には確かにクマができていた。
「毎日なんですか?」
「シェアってある意味、男は種馬だからな・・
好きな女想像して、オナニーも出来ないさ。」
(したくなったら…それ精子もったいないから…あたしに、連絡ちょうだい)
みちよの残した言葉が、僕の中で甦った。