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学級委員長はストリッパー?
官能リレー小説 - 職業

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学級委員長はストリッパー? 3

剥げかけた白い塗料の軽トラックの上で久子のスポーツバイクがカタカタを音を立てている。
軽トラックの荷台に乗ったのは初めてだったが、初夏の風景を眺めながらのドライブはそれなりに楽しかった。
車の振動がじかに千夏の腰に感じられた。おそらく普段通学で使っている電車やドライブで高速を走っているときよりはるかに遅いのだが、千夏には、荷台の風景、風、振動すべてが、スリルを感じてふさぎ込んでいた気分を晴らしてくれるようで心地よかった。
 結局、今後の方針についての討議をしている間に、日は暮れてしまい、久子が同じクラスのユウキの親に送ってもらうことになったのだ、
 しかし千夏には、これから起こる運命よりも助手席にのほほんと座る同級生の女子ユウキとその母親の以外すぎる一面にため息が漏れた。
「私、まだ信じられないわ。」
「だったら本人たちに聞いてみればいいじゃん。」
久子が千夏の独り言に答えた。
「聞くっていってもさあ。」
千夏が後ろめたく答えた。
「ユウキ。私たちストリップ劇場に出演してんだよな。」
大きな声で助手席のユウキに声をかけた、ユウキは学校にいたときとかわらないのほほんとした天然な表情でこちらに顔を向けると、仮にも、学級委員長である千夏にさも当然のように答えた。
「うん。出てるよ。それがどうかしたの?」

「どうかしたのって、あんた。」
千夏はため息をつきながら、ユウキの顔を見た。ユウキのまるで小学生低学年にしかみえないチョコンとした顔が不思議そうに千夏をみている。まさか、彼女が同級生とはいままで不思議だったのだが、さらにストリップの踊り子までしているとは…
「だって、私の曾おばあちゃん伝説のストリッパーだったんだもん。私のおばあちゃんもストリッパーだったけど、もう年で難しいってことで私が継ぐことになったんだよ。」
いやいやいやいや。世襲制であるにしてもいろいろ無理あるでしょ。…と千夏はいいたかったが、なんとか言葉をのみこんだ。今後私も彼女たちと一緒にステージに立つことになるのだから、人のことは言えないのである。
 
 久子が紹介してくれたバイトそれが、ユウキの家族が運営している温泉街のストリップ劇場だった。
 もちろん千夏は強烈に拒絶した。
 いや。普通は、早朝の新聞配達とかそっちでしょ。普通、学級委員長の私にいきなりその飛び級バイトはないでしょうよ。と散々久子にいったのだが…
「同級生にユウキって子いるでしょ。あいつ一応ストリッパーやっているから。」
 その一言で沈黙してしまった。
「ユウキってあの同じクラスの?」
「うん。そのユウキ。」
「AAカップのブラジャーが無意味!なあのユウキ?」
「うん。そのユウキ。」
「修学旅行のとき、オール子供料金で通用したあのユウキ?」
「うん。そのユウキ。」

そして、従来からの負けず嫌いが出て、OKしちゃたのよね。
千夏はトラックの揺れでわからないようにため息をついた。

「まあ、ストリップ劇場はK温泉にあるから、金曜の夜に向こうに行って日曜日まで温泉につかりながら仕事して月曜朝には帰れるよ。まあ、少し遠くにある分、学校にはばれにくいし、温泉にも入れるから。」
ユウキの母親がやっぱりのほほんと答える。天然なところはそっくりだ。しかし、彼女はストリップに出ていない。
ユウキの祖母が引退するときに、「私は出ないけど、娘なら大丈夫。」と言い放ったという極悪母ちゃんなのだ。
それでも従来の天然さがそうしているのだろうか、特に嫌悪感を千夏も久子も、ユウキも感じていない。


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