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学級委員長はストリッパー?
官能リレー小説 - 職業

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学級委員長はストリッパー? 2

千夏の告白によると以下のようである。
昨日の8時ごろである千夏の父親が母親と自分を呼んだ。
険しい顔をして無言で自分のケータイ機器を操作し一つのファイルを開いた。
いつも使う駅の2つほど向こうの駅のホームが映し出される。快速が止まらない駅なので千夏は知ってはいたがそれほど馴染みのない駅だった。そこに自分の母親の姿があった。
そしてしばらくすると知らない男が現れた。男は母親に深い接吻をした。
とても挨拶でしたとは言えない深い接吻だった。
千夏の母親は蒼白になり、千夏の退出をまず促したが、父親は無言で首を振った。父親は初めに千夏を呼んでいた。この事実を夫婦間の問題として終わらせる気がなかったのだ。
 そのあと、その駅の付近の民宿が移った。2人してその民宿に入っていくところが映し出された。
 その後画面が変わって室内が映し出された。画像は粗悪になり、右端が黒く隠れているところから隠しカメラの映像に切り替わったのだろう。
そのあと千夏は視線を背けた。
そこには醜悪なまでに生々しい映像が映し出されていた。
それ以降、千夏は映像を見ていないが、音声は聞こえてきた。
耳をふさぐことはできただろうが、真実を知りたいという気持ちもあった。もっと正確にいえば彼女の中で抑圧されてきた、性への好奇心が耳をふさぐことを拒絶していた。
「あん。すごくいい。」
「ねえ。私たち繋がっているの感じる?」
「旦那とはもうずいぶんとご無沙汰しているのよ。わかる?私このまま女として終わるの耐えられない。ねえ。私まだ女なのよ。この感触もっと味わってほしいの。わたしも、わたしも、あん。味わって、あ、いるから。ね…」
そこから15分動画は続いた。
そのあと、父親はその携帯機器と離婚届を残したまま、家を出た。
母親は父親を追わなかった。しかし、あとで後悔していた。ポストに入れられていた父親の手紙の中に預金を全部回収したという内容が書かれていたからだ。通帳の残高は0になっていた。かなり前から周到に計画されていたのだろう。
会社に問い合わせても、海外出張で部署が変わったという報告が来たのだ。
そして早朝には母親もいなくなっていた。密会した男のところにいったのだろう。今度は何も残ってはいなかった。
「私…どうすればいいのか、わからなくなっちゃった。私優等生って言われても、何もできないもの。が、学校はなにも生きていくための方法なんて、お、教えてくれなかったんだもの。」
千夏はその場で泣き崩れた。しかしその声も休憩を終えた初夏のセミの声にかき消されていた。
「なにいってんだい。このスカポンタン。」
久子は千夏の体を抱きしめながらそう言った。
スカポンタンで何時代の言葉だよ。と一瞬千夏は思ったが、少し安心している自分がいた。
考えてみれば、自分の感情を表現できるのも、安心できるのも友人の久子の前だけだったということにふと気づいた。
学校も両親もただ、よいこを演じる対象でしかなかった。
「いくところがなければ、私んとこに来な。まあ、少しアンダーグランドな世界に引きずり込むけど、それもまた人生の楽しみってことでね。」
「ありがとう。それでねもう一つお願いがあるの。」
「何?」
「帰りの電車賃じつはないんだ。…」

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