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Mr.
官能リレー小説 - 職業

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Mr. 3

こんなことなら英会話でも習っておけばよかったよな;…
日本にいる限り、多国語を話せなくても何の不自由も感じないことに甘んじて、努力の“ど”の字もしてこなかったことを、今更ながらに反省する…

「ごめんな;…何の役にも立てなくて…」
勇んで戻ってきた割りに、これじゃあ何の意味もない…

そんな俺の落胆ぶりが伝わったのだろう…
彼女は“ううん…”とでも言うかのように首を左右に振り、俺の頬にそっと触れてくる…

ドキッ!っとし…身体がビクッと跳ねてしまう…
それゃあ彼女の国ではスキンシップが当たり前のことなんだろうけど、俺は産まれも育ちも純水なる日本人…
こうやって頬を触られる…ただそれだけのことだって非日常のことだ…

「いや別に、驚いただけなんだぜ;…」
身体の反応を言い訳がましく弁明する…
まぁ言葉の通じない彼女にというよりも、自分自身に言い聞かせているようなもんなんだけど;…

そんな俺に対してニコッと微笑む彼女…
頬に触れていた指先は…俺の唇に滑るようにして移動してくる…

ぅえっ?…
こ、これってどういうことよ?…
俺の頭の中は混乱する…
いくら彼女がスキンシップが当たり前の国出身だったとしても…相手の唇に触れるってことは…普通のことなのか?

まぁ挨拶するのにチュッチュッと頬の左右にキスをする国だってあるぐらいだ…
指先で相手の唇に触れるぐらい、彼女にとっては何てこともないのかもしれないよな…
それよりもこんなことぐらいで動揺している俺を見られる方が恥ずかしい…
この歳になって…ウブな童貞と思われたくない…誤解されたくはない…と思うのはある意味、男のプライドだ…

まぁそういうことに関して慣れているか?といったら俺は奥手の方だとは思う…
童貞喪失したのだって20歳を越えてからだったし;…
今まで知った“女”の数だってたった3人…その内の1人は風俗嬢だったから、経験人数に入れていいのか?疑問だ;…

緊張のあまり唇に力が籠る…
クッと閉じると、彼女の指までをも噛んでしまう…

「Mr…」
甘く囁く彼女…

うわぁ…“ミスター”って俺のことだよな?
なんかそんな風に呼ばれると、尻の穴がむず痒いんだけど;…

身体に込めていた力も抜ける…
と、同時に唇で甘噛みしていた彼女の指が俺の口内にゆっくりと挿ってくる…
おい;…これって?…どういうことなの?…
口の中に指を挿れられるなんて…歯医者でしか経験したことがない;…
まぁこんな綺麗な女医さんの歯医者なら、喜んで通っちゃうけど;…

俺の歯茎をなぞるようにして左右に動く彼女の指…
ポカンと開いた俺の口脇から、1本の糸ようにして涎が落ちる…

マズイだろ…こんなところで;…
鈍い俺でもこれは誘われているんだと…流石に分かる…
いくら文化や風習が違う異国の人だって、会ったばかりの男の口に指を挿れるなんてこと…そうじゃなきゃする訳がない;…

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