元グラドルの事務員 5
「半額って、昔グラドルって言ったとか?」
「ちょっとランジェリー姿で撮影をね。もちろん、顔は隠したけど。こんな風に」
「やっぱり、スタイルがいいって見抜いたのかも。とにかく異例のサービスだよ。水野さんばっかりいい思いして、ずるいな」
「ごめんなさい、あのお店で金子くんが欲しいDVDをプレゼントしようと思ってたのに忘れてた。まだ時間あるし、ちょっと飲みに行かない?」
本当は夏菜子は家に帰って二種類を楽しみたかった。しかし、秋広を口止めする必要があったので、貸しを作ったままではいけないと不本意ながら誘った。
秋広は喜んでOKした。出来たらいいなと思っていた夏菜子との食事にこぎつけることができたからだ。
「ホント、安い居酒屋だけどごめんね」
「いや全然。水野さんと一緒なら嬉しいよ」
「水野さん、お酒飲むんだ」
「大好きだよ。ところで金子くん、私がグラドルやってたこと知ってるんだ。全然有名になれなかったのに」
「実は噂で知っただけなんだ。雑誌はコミック重視の本の読者だったから、見たことないし。でも、水野さんなら、なれる条件を備えてそうだし」
「別に今の仕事になんの役にも立ってないんだけど。女子アナなんかはミスキャンパスでないとなれないんだって」
「僕は水野さんみたいな人が社長なら、もっと仕事もがんばれそうだな」
「私をどんな風に見てるの?」
「美人でグラマーかなって…」
「やだ!私がおごるってだけで、そんなに持ち上げるの?金子くんったら、ゴマすり」
「べ、別に媚びているわけじゃ…」
酒が進むと、秋広のレベルのトーク力でも夏菜子はすっかり気を良くする。
「水野さん、ちょっと飲みすぎじゃ…」
「だって、こんなに楽しいのは久々だし…女同士の会話じゃこうはね…うっかり話しすぎると、すぐ言いふらされるし、勝手に嫉妬して悪い噂流すんだもんね」
「これ以上はちょっと、一旦どこかで休もう」
「いいわ、金子くんに任せちゃう」
酔いもあって夏菜子は秋広に任せきりにしてしまい、首尾よく彼はラブホに連れて行くことに成功する。
「ごめんね、甘えすぎたみたいで。女子会じゃここまでハメ外せないし」
「入ってから思ったんだけど、ラブホはちょっとイメージが悪いかな。でも、ネットカフェは泥酔して入るとよくなさそうだし」
「金子くんって紳士ね。開放するふりして脱がせようとしないし」
「同僚にセクハラはいろいろマズイですし」
早めに切り上げる予定だったのに酒と気後れしない相手に流された夏菜子は、むしろ日頃から奥手な秋広に対して距離を感じる。
「金子くんはいろいろはいってこないタイプね」
「僕を信じて相談してきたのに、期待は裏切れないよ」
秋広は盗撮で夏菜子がどんな風に乱れるかも知ってるので、むしろその探りを入れてこない様子が彼女には度量が広く見えた。
「やっぱり思ってる?グラドルの胸なんて、どうせガムテ貼って谷間作った偽物とか、私がバイブでしか満足できない女だって」
「別に、そこまでは…」
「いいわ、見せてあげる!おっぱいは天然でチンポだって挟めるサイズで生身ともできるおまんこだって」
「水野さん、いくらラブホだからって淫語の連発は」
「いいの?ここでやらないと男じゃないわよ!」