海街性春譜 12
「いつまでもお嬢様扱いが嫌だって思ってたけど、結局は落ち着いちゃうのよね…」
華菜はため息しながら笑う。
「いいのよ、そのおかげで私たちだって」
「学生寮のみんなの部屋に遊びに行くことだってあるから」
離れだという華菜の部屋。
部屋というよりは普通の一軒家である。
「もぉお〜こんなに広いなら、寮になんて入らずに華菜の家にご厄介になればよかったは…」
有希は染々と言う…
「まあいつでも泊まりに来てよぉ、何たって寮は男子禁制ですもんね;」
「そんなこと言っても、この土地で知ってる男の子なんて汐海くんだけよ;…、いいことしたくても相手がいないはよ;…;」
華菜がそうこぼす。
当の汐海は意味がわからず首を傾げている。
「ちょっと汗かいちゃったなぁ」
「今日思ったより暑いもんね」
「シャワー使っていいよ、莉英も美沙も場所知ってるでしょ」
「シャワーってどこに?」
「私の部屋、ここの離れの中だよ」
汐海はまた目をパチクリさせるのだった。
「よかったら汐海くんもどう?…あのままじゃ汗流したいんじゃない?…」
ニッコリと微笑み莉英が言う…
「あっ;…そ、そんなことは;…」
汐海くんは端から見ても焦って見えた…
「汐海くんが一緒なら私も入ろっかなぁ〜」
赤くなる汐海くんの肩に腕を回す有希…
長身の有希がそうすると、汐海くんはまるで捕らえられたって感じだ…
「おいおい、みんなしてそんなに…汐海くん困ってるぞ…」
華菜が苦笑いする。
「じゃあ…楽しみは後に取っておくかな」
「そうくるか」
美彩が意味深につぶやき、有希が頷く。
結局汐海はその場に残り華菜以外の4人がシャワーを浴びに向かった。
「汐海くん…莉英とはどこまで楽しめた?」