君が好き。 15
力が抜けるのはあっという間で、栞さんを攻める余裕もなくなった。
「あら、ちょっとやり過ぎたかな」
「気持ちよすぎです、栞さん」
「私って、尽くすタイプかも。男の人にも気持ちよくなってほしいって。唯ちゃんたちからは、優しすぎだって言われるけど」
「俺はそんな栞さんが好きですよ」
「ありがと」
またじわっと栞さんの瞳に涙。
たぶん、前に付き合ってた男とは、何かあったんだろうな…
でもきっとその男に栞さんはここまで仕込まれたに違いない…
そうでなきゃ男しか分からないような性感帯を、女性である栞さんが知る訳ないもんな…
そう思うと知りもしない栞さんの元カレに、どこかジェラシーすら感じてしまう…
「樹くん…」
栞さんは俺に抱きつき、唇を重ねる。
「私に、樹くんを刻み込ませて」
俺はあえて何も言わず栞さんを抱き締め、頭を撫でた。
柔らかな身体と肌の温かさを感じる。
「樹くんのホントの初めて、行こっか。正常位と騎乗位、どっちが好き?」
その体位がどういうものかぐらいは知識として知っていた。
だけどその“どっちがいいか…”となると、Hな動画で他人のヤッているところしか観たことのない俺は判断しかねる…
「どっちがいいんでしょうか?…」
俺は自身を握りしめ、栞さんに向かい首を傾げた。
「初めての樹くんに聞くことじゃなかったかもね」
「…すいません」
「いいよ、樹くんの好きに…じゃあ、こっちでお願い」
栞さんはベッドに横になる。
足を大きく開き、ソコが丸見えになる。
「ココに、樹くんの、来て…」