淫肉の棺桶 15
「これは……」
「学校全体が囲まれてるみたいだね……」
屋上から見渡すことのできる範囲はすべて、ブヨブヨとした肉壁に囲まれていた。
空まで完全に覆われていたが、上空の壁は薄いのか、うっすらと光を透過している。
だが、そこまでの距離は約30メートル。
自力での脱出は不可能であった。
「……どうしようか、お姉ちゃん…………」
「……この様子じゃ、脱出は不可能ね。だったら、一か八か「棺桶」の弱点を探しましょう」
「弱点?」
「そう。こいつらが何なのかは分からないけれど、生き物だとしたら弱点くらい存在するんじゃない?」
「そっか……そうだよね、まだ諦めちゃダメだよね」
「ええ、行くわよ」
「あ……ま、待って……っ!!!」
「ん?真樹、どうしたの?」
「……ううん、少し体がだるいっていうか……火照ってる感じがするだけだから、大丈夫……まだ頑張れるから」
「そう……でも、どうしてもダメになったら言うのよ?」
「うん」
こうして二人は再び校舎の中へと戻っていく。
相談の結果、教室を一つ一つ見て回ることになり、屋上から一番近い生徒会室に訪れていた。
「いい?開けるわよ?」
「うん……」
ゆっくりと扉を開ける。
その瞬間、生臭い香りがムアッと広がった。
「うっ……」
「これは……?」
生徒会室には会議用に、長机4つを四角形を作るように並べている。
その中心にできたスペースに見慣れないものが鎮座していた。
ブヨブヨとした肉壁が塔のようになっており、天井付近には白い膜状のものが乗っている。
二人は嗅いだことがないために気が付けていないが、ここは「棺桶」が学校中の男たちから搾り取った精液を貯蔵する器官だった。
精液が入った膜は臭いを遮断していないのか、濃厚な牡の香りを周囲にふりまいている。
「何これ……くっさぁ……でも、わざわざこんな人がいないところにあるってことは、重要なものなのかも……」
「……」
真緒はよりよく観察するために、それに近づいていく。
床には警戒のためか多くの触手が這っているが、何とか近づけないこともないだろう……そう考えたことが命とりだった。
「うわぁ……すごい臭いね……なんて言えばいいんだろ?鼻に付くっていうか……」
「棺桶」に触れないように観察を進める真緒。
精液が貯蔵された膜に顔を近づけ、よく眺めたり臭いを嗅いだりしている。
膜の中身が精液だと知れば、どういった反応をするのだろうか。
もっとも、この場にはそれを指摘するものなどいないが。
「はぁ……はぁ……」
その後ろで、真樹は苦しげな息を漏らしていた。
顔は真っ赤に上気し、トロンと緩んだ口からは色っぽい吐息が漏れている。
その様はまるで、精液に酔った牝のようであった。
「……真樹?大丈夫なの?顔、すごく赤いわよ」
「ら、らいひょうぶぅ……っ!!!」
「ちょ、ちょっと……」
真緒の手が真樹の肩に触れる。
その瞬間……
「っ!!?ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
真樹の体がビクビクと跳ねた。
生徒会室の床に倒れこみ、ダムが決壊したかのような勢いで痙攣を繰り返す。
「ちょっと!!?真樹、どうしたの!!!??」
妹の突然の変貌に驚きを隠せない真緒。
だがそんなのも一瞬のこと。
次の瞬間には、四方に張り巡らされていた触手たちが自分たちに向かって伸びているのを見た。
「しまっ……!!!あっ!!!くっ……このっ!!!」
真緒は全力で抵抗したが、無数に伸びてくる触手すべてをかわすことなど出来るはずもなく、あっけなく捕えられてしまった。
双子の姉妹は強制的に立たされるように触手に絡め捕られ、開かれた股の下には肉の塊が形成されていく。
それはちょうど腰を下ろせば座れるくらいの高さで止まり、クリトリスの真下にあたる部分には穴が開いていた。
穴の中はグジュグジュと小さなヒダたちが蠢いており、ヌチャヌチャと湿った音を響かせている。
「は、離して!!!離しなさいよっ!!!!!」
真緒は手足に全力で力を入れるが、触手たちはビクともしない。
彼女たちに許された自由は、わずかに拘束が緩い腰を「棺桶」の上へと下ろすことだけだった。
そして、「棺桶」から新たに触手が伸びて真緒と真樹の下半身に迫る。
触手は二人のスカートやパンティーに触れると力任せに引き裂いた。
ビリビリ……
耳障りな音を立てて、二人の下半身を覆う服が布切れになっていく。
真樹以外いないとはいえ、下半身が裸になってしまった真緒は羞恥に顔を染めた。