触手調教BEST!! 7
羞恥心というよりトラウマだとわかった。
セックスそのものにも嫌悪と恐怖がある。
AV出演を言い渡されて、
絶望というより、いたたまれなくなった。
「そういうことか」
俺は眠っている彼女の頬を撫でた。
他人の記憶の内容には手を出せない。
過去の記憶を変えられるなら、
どんなに楽なことか。
彼女の不安げで伏せ目がちの表情、
儚げで、おとなしげな雰囲気は、
過去のトラウマのせいだとわかった。
それでも、モデルの仕事では、
他のモデルと同じように笑っていた。
それらは彼女の必死な演技だった。
彼女をトラウマから解放してみたくなった。
輪姦される前の記憶の彼女は、
演技ではなく無邪気に笑っていた。
恋もしていた。
ただし、女子高で相手は女子だったが。
家に見舞いに来た先輩の彼女は、
彼女の心の傷が深すぎて、
レイプされたことを聞いてから、
「ごめんね」
と彼女を避けるようになった。
「退院したら、ここに連れてくるのね」
俺は静に何を見たのか全てを話した。
「結城美月のお姉様になれ」
「御主人様のお願いなら、
……しかたありませんね」
退院まで静に病院に見舞いに行け、
そして、優しくしてやれと言った。
「女の嫉妬は怖いですよ」
俺に静が惚れていると、
彼女が気がついたとき、
どうなるかはわからない。
「男の俺じゃ、残念ながら、
結城美月の気持ちは、
過去で止まったままで、
動かせないからな。
調教よりリハビリが先だ」
「リハビリ?」
「そうだ。頼んだぞ」
静は俺に抱きついてキスをした。
「優しすぎる御主人様、
私にも優しくして下さいね」
5 ハイエナと呼ばれた女
女社長が自分の事務所のモデルを、
自分のマンションで同棲して、
愛欲の日々をおくっている。
その証拠写真を買い取ってほしい、
と言ってきたパパラッチがいた。
俺は獲物にしようとしていた美月に、
同情してしまって、
手を出すのを保留することにした。
静は会社で俺に弄ってもらっているから、
欲求不満ではないようだ。
俺は中途半端に静を幻で弄っているので、
他の女に手を出そうとまた思い始めていた。
美月は退院してから、
また自殺しようとはしていない。
リストカット常習者ではないようだ。
「はじめまして。
小池奈津美といいます」
「噂は聞いたことがあるよ。
ジャンキー野郎は、
金を払わなかったんだろう」
「ええ、本人も事務所もね」
「で、通報したわけか」
「警察に協力しただけです。
市民の義務ですから」
すっと目を細めて微笑して見せた。
煙草を喫っていいか彼女に聞いた。
「君は喫煙しないのか?」
「体が資本ですから。
健康には気を使ってるんですよ」