触手調教BEST!! 5
彼女をぎゅっと抱きしめた。
胸の奥が切なくなって痛かった。
俺はそのまま彼女の膣内に射精した。
彼女が妊娠してもかまわないと思った。
彼女と俺の子供を見てみたいと思った。
俺が半勃ちになった肉棒を抜き出すと、
どぷっ、と逆流してきた白濁した精液が、
吐き出されてきた。
「俺と結婚しよう、由紀姉……」
「もう好きにして。
私、ばかだよね。
でも離れられなくなっちゃった」
彼女は幻の触手の虜になっていた。
一週間後、家出していた旦那が戻った。
「私、どうしたらいいんだろう」
旦那と俺をどちらも手放したくない。
「俺は由紀姉を裏切らないよ」
「私なんて、
いなくなっちゃえばいいのに」
自分の気持ちがわからなくなっていた。
「離れてみて、わかったんだって。
私のことがやっぱり好きなんだって」
「俺は、ずっと由紀姉のことを……」
「知ってたよ。
私、ずるい女だよね……」
彼女が煙草を取り出して火をつけると、
ひとくち喫って黙り込んでしまった。
俺は自分の気持ちを押しつけたくない、
どうしたら彼女の気持ちを奪えるか、
沈黙の気まずさの中で考えていた。
「由紀姉は俺のものだ。
誰にも渡したくないんだ……」
「……こんな女でいいの?」
ラブホテルに行って触手プレイをした。
「泊まっていけばいいのに」
「はっきりさせなきゃね」
彼女は、幻の蝶を見せてと言った。
すっと伸ばした指先に蝶が舞い降りた。
「やっぱりきれいね……ありがとう」
彼女は旦那に俺のことを話して、
また連絡すると言って帰って行った。
彼女は旦那に包丁で左胸を刺されて死んだ。
旦那もそのあと死のうとして、
腹を刺したがすぐに死ねなかった。
「悪いな、でも由紀子は渡さない」
彼女の携帯電話から俺に電話してきた。
「妻を殺した、俺も死ぬ」
と警察に通報してからだった。
警察がかけつけて、病院に搬送中に、
旦那も死んだ。
由紀子、俺の初恋の人。
俺はあの夜、
彼女を帰さなければよかったと、
ずっと後悔している。
もう彼女はいない。
牝奴隷たちを弄りまわしながら、
俺は生き続けている。
4 止まった時間、手首に包帯を巻かれて。
社長のマンションで遅めの朝食を食べる。
ベーコンエッグにトースト。
「サラダも食べないと」
「野菜、あんまり好きじゃないんだ」
「子供みたいなこと言うのね」
俺はトーストを頬ばり、珈琲で流し込む。
「もしもし……わかりました。
今から会社に行きます」
電話を終えて、青ざめた静が、
彼女が「自殺したって」と言った。
結城美月が切った手首を浴槽につけて、
自殺しているのが今朝、発見された。
同じ寮に住んでいる隣の部屋の後輩が、
目をさまして気がつき救急車を呼んだ。
二人で昨夜、酒を飲んでいた。
遺書などはないようだ。
警察が事情聴取に会社に来るらしい。
「俺は病院に行ってくる」