朝、目が覚めると……☆第2章☆ 5
そ、そうだったのかそれなら‥‥ってことは飛鳥さんも?
とそこで飛鳥さんを見るとやっぱり水着を選んでいた。
「帝ちゃん、私もビキニにしようかな?どう思う?」
と俺に見せたのは光沢の入った鮮やかな紫色の紐ビキニ。
あ、飛鳥さんもですか〜?
ま、まずい、俺の身体と財布は大丈夫かなぁ。
結局8人分の水着を買うことになった帝、修学旅行を前にして色々と苦労が絶えないようであった。
「はぁ……。」
がっくりと肩を落す。
あの後、俺はレジで待っている間中、蓮達に睨まれていたのだが・・・。まぁ、仕方ないか。
・・・・・
「やれやれ・・・。」
紙袋を幾つも持ちながら、家へと急ぐ。
あれから全ての会計を済ますと、皆を引き連れて帰っているわけだが……
何だか恥ずかしい。道行く人たちの注目の的になっていたからだ。
「な、なぁ、蓮……もうちょっと離れてくれないかな。」
「「どうして(ですの)?」」
蓮と留奈が俺に腕を回して寄り添っている。
正直、紙袋が邪魔でかなり無理に歩いているのに・・・。
俺の後ろでは、真由がうらめしそうに見ていて、梓の方はキョトンとしている。
横の方では麗華さんと和美。反対方向では、飛鳥さんと京華さんがおしゃべりしながら歩いている。まぁ、これほどの美女・美少女達を引き連れているわけだから、注目されないのは、変だけどな。
家に近づいた時、麗華さんが俺の側に寄って来た。
「あ、帝くん。ちょっと、良いかな?」
「ちょっと、麗華さん。・・・帝に何の用なの?」
「そうですわ。いきなりなんて変です。」
蓮や留奈が麗華さんを睨む。
麗華さんは手をひらひらしながら、俺の耳元で囁いた。
『…後で家に来てくれるかな。……あなたに大事な用なの。』
へっ?用っていったい‥‥
『とにかく来てね、待ってるから』
麗華さんはそう言うと俺に、じゃあまた後で、と言いながら家に入っていった。
後に残された俺が蓮や留奈達に散々責められたことは言うまでもない。
………
何とか蓮達から逃れて麗華さんの家の前に来たわけだが、正直さっぱり分からない。麗華さんはいったい俺に何の話があるんだろうか?
大事な用って‥‥なんだ?
不安に駆られながらもチャイムを押してみた。
『帝くん?どうぞ開いてるわよ、入って』
インターフォン越しに麗華さんが出ると俺はドアを開けた。