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朝、目が覚めると……☆第2章☆
官能リレー小説 - 学園物

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朝、目が覚めると……☆第2章☆ 37

梓の中では玲二の存在は忘れられたようだ。
「あっ!れーくん。支払いお願いね♪」
梓は可愛くウィンクなどしながら玲二に言った。どうやら、玲二のことを忘れていたわけではないらしい。
「ごめんなさいね、玲二さん。ごちそう様でした。あっちゃん待って!」
真由は、すまなそうに玲二に言うと、もう店を出ようとしている梓を追いかけた。
後に残された玲二は、伝票を取ると溜め息を付く。
(支払い…大丈夫かな?)
既に豊は支払いを済ませてしまい、麻衣を家まで送っていってしまった。
ちなみに、レジの前には智美が居たのだが、豊は気が付かなかった。
玲二は不安げにレジの前に立つと、智美に伝票を渡す。
「税込で4725円になります」
ホッと一息付く玲二、財布に入っていた五千円札を出すと智美に渡す。
「五千円お預かりします……275円のお釣りになります。ありがとうございました!」
ちなみに今、玲二の財布の中にはお釣りを足しても486円しかなかったりする。何とか支払いも終わり、お金も足りたことでホッとする玲二。
そして、いつもの癖が…智美をナンパしようとしたのだ。
「ねぇねぇ君、名前なんて言うの?可愛いよね。そのメイド服、良く似合ってるよ」
玲二の言葉に困惑する智美。
(小池君、からかってるのかしら?それとも、本当に気付いてないの?)
豊は女の子に慣れていないのでしょうがないにしても、散々遊びまくった玲二が気が付かないとは…確かに智美は普段とは違い髪型を変え、眼鏡も変えてメイド服を着ている。制服姿しか見ていない玲二には、分からないのかもしれないが…
まだ信じられない智美は、玲二の名前を呼んでみた。
「あの…小池君?」
「へっ?何で俺の名前知ってるの?」
どうやら玲二は本当に智美だと気が付かないらしい。
「何で俺の名前…どこかで会ったっけ?」
玲二は智美の顔をジッと見ながら話しかける。智美は冷や汗を掻きながら答えを探していた。
するとその時、
「玲二君、何をしてるのかしら?」
突然の背後からの声に驚き、振り向く玲二。そこには玲二を睨んでいる優里がいた。
「ゆ、優里ちゃん…」
今度は玲二が冷や汗を掻く番だった。
「あなたって人は…ちっとも反省してないようね」
優里は玲二を睨みながら近付いてくる。
その時、玲二の取った行動は意外なものだった。
「君、また今度ね。じゃあ」
玲二は智美にそう言うと駆け出していってしまった。
あまりの速さに呆然とする優里。智美は呆れて何も言えなかった。

直も呆然と佇む優里に、
「あの…優里ちゃん?」
智美に話し掛けられハッとする優里。
「何なのあの人?いきなり逃げ出すなんて!」
優里はおかんむりのようだ。
「優里ちゃんありがとう。助かったわ。でも優里ちゃん、小池君のこと知ってるの?」
「えぇ、まぁ…智美ちゃんこそ玲二君のこと…」
「クラスメートなの。私だと気が付かなかったみたい」

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