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朝、目が覚めると……☆第2章☆
官能リレー小説 - 学園物

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朝、目が覚めると……☆第2章☆ 35

「綾乃さん…」
智美はその一言に救われたような気がした。
(そうよね!一人で悩むなんて私ったらバカみたい…)
そして智美は決心すると、
「綾乃さんありがとうございます!あの…お店に出てもいいですか?」
「え?ええ、構わないけど…」
「ありがとうございます♪」
綾乃は、何故急に智美が元気になったのか分からなかったが、晴れやかな顔を見てホッとしていた。
そして綾乃は柏木の方を見ると、
「あなた!ちゃんと仕事してますか?」
「は、はい!綾乃さん!」
またバイトの女の子達はその光景を見て、クスクスと笑っていた。
さて、智美はお店に出ると、
「よし!」
と気合を入れる。そして、丁度あとかたずけをしていた加奈の側に来る。
「あ、智美ちゃん。」
「加奈ちゃん、私もお店に出る事にしたの。注文、取ってくるね。」
「うん、お願い。」
智美は加奈にアイコンタクトをすると、元気よく接客に向った。
(あは。何で私、つまらない事で悩んでたのかな。さぁ、がんばるわよ、智美!)

「「お帰りなさいませ!ご主人様、お嬢様!」」
和美と智美が元気よく客を迎える。
智美は、普段は銀ぶちメガネで髪を団子に丸めているが、バイト中は腰まである髪を下ろしメガネを代えている。その為、玲二や豊といった同じクラスの連中の前を通っても誰も気が付かない。
まぁ、玲二はというと、和美や加奈を見ているので、他は全く眼中にはないが。

「どうぞ、こちらです。」

智美が客を席に案内していると…

「「やっほ〜〜智美ちゃ〜ん!!」」
「…え!?」

驚いて振り向く。すると、綾女や桜が手を振っていたのだ。
「綾女ちゃん、桜ちゃん、来てたんだ」
「そうだよ。今日いないから休みかと思ったよ」
「久しぶりだよね〜」
綾女、桜、優里の三人は中等部からラフレシアである。智美もラフレシアの中等部にいた為、三人とは友達だったのだ。
「智美ちゃん、久しぶりだね」
「優里ちゃん…久しぶり」
智美と優里とは、友達ではあったがライバルでもあった。常に成績トップを争っていたのだ。智美の方が進学意識が強かった為、よりレベルの高い巽野宮高校を選んだのである。
「そういえば優里ちゃん、海外留学が決まったらしいわね。おめでとう」
「智美ちゃんが高等部にいたら、きっとあなたに決まったわよ」
とにこやかに話す二人。だが智美と優里の間には、綾女や桜では入り込めないライバル意識がまだあるようだ。
「その制服、可愛いよね。あたしも着てみたいなぁ」
綾女はそんな雰囲気など分からず、脳天気なことを言っている。
「綾女ちゃんが着たらお客さんが逃げちゃうから駄目だよ〜」
桜の毒舌も始まった。
「何よ!何であたしじゃ駄目なのよ!」
「だって、綾女ちゃんが着たらコスプレになっちゃうもん♪男の子だしね☆」
桜はそう言って笑っていた。

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