朝、目が覚めると……☆第2章☆ 23
丁度、交差点の方向に人の集団があった。よく観れば近隣の女子高生達のようである。
「あ、あれは……ラフレシアの制服。」
「なっ?あの様子だと、皆メイド喫茶に行くみたいだし、もしかしたら……」
「行く!俺が早く行って席を取ってくる!おっしゃぁああ!!」
豊は気合を入れて駆け出していった。
玲二は唖然として豊を見送り、
「アイツ…本気なんだ…」
と呟きハッと気付くと、
「おーい!俺を置いて行くなよー!!」
と叫び、豊を追って駆け出した。
‥‥メイド喫茶フェアリーパラダイスの店内‥‥
すでに6割ぐらいの客で埋まっていてメイド服のバイトの子たちが忙しそうに動き回っている。和美もその中の一人だ。すっかり店の雰囲気にも慣れ仕事をテキパキとこなしてしていく。
ガランガラン
店のドアが開くと、
『お帰りなさいませ!ご主人様、お嬢様』
店内に和美の爽やかな声が響いた。
「あ!和美さん!」
入って来たのは真由だ。最初は驚いていたが、軽くお辞儀をする。
「…真由ちゃん!私、今日からここのバイトなの。よろしくね。」
「和美ちゃ〜ん、梓も来たぞー!!」
梓も横からちょこんと顔を出す。相変わらず元気な子である。
「…梓ちゃんも来てくれたんですか!よろしくね♪」
和美は両手でスカートの裾を持ってお辞儀をした。その仕草がとても可愛いかったので、梓の顔が真っ赤になっている。
「こんにちは、あなたが和美さんですね。」
真由達の影から1人の女の子が進み出てきた。
豊が恋する(笑)女の子、麻衣だ。
「は、はい!えーっと?…あなたは…」
「桐谷麻衣です。真由ちゃん、梓ちゃんとはクラスメートなんです。よろしくお願いしますね、和美さん」
麻衣はそう言って微笑むと握手を求める。そして和美は麻衣の手を握り、
「こちらこそよろしくお願いします。麻衣ちゃん♪」
和美は麻衣と握手しながら思っていた。留奈とはタイプが違うが上品さと可愛らしさを併せ持った麻衣。麗華程ではないが淫魔であることには変わりない。智美は手に入れたが、目の前にいる可愛らしい麻衣にも目がいっていた。