朝、目が覚めると……☆第2章☆ 16
祐天寺はそう言うと
「わかった貴様らの好きにさせてやる!いいか班は男女で8人、部屋は男女別で4人部屋だ。速やかに決めろよ!!」
ざわざわと騒がしくなる教室。
「帝、同じ班になろうぜ。それに豊と…女の子は蓮ちゃん達で決まりだな♪」
「あぁ、それでいいんじゃないかな」
結局、班は俺と玲二に豊、蓮に留奈に和美、あと樫原も入って7人が決まった。部屋は俺と玲二に豊、その段階で祐天寺も一緒になった。玲二は文句を言ったが東藤先生に押される形となった。
そして、いよいよ修学旅行まで後5日となった。
「ちくしょう。…何で祐天寺が一緒なんだよ!!」
「しょうがないだろ。あいつが勝手に入ったわけだし…」
授業の中休み。玲二と豊が不満のぶつけ合いをしている。
余程、悔しかったのだろうな。
「おい、帝。お前は悔しくないのか?祐天寺のやつが同じ班で、しかもリーダーなんて絶対におかしい!」
「まぁ、良いんじゃない?行くまでの準備を、あいつに全部任せれば。」
「あ、そうか。そういう考えもあるよな。」
なるほどと言った表情の玲二。少しは考えろよな。
「ところで帝、和美ちゃんは?」
「ああっ。さっき、樫原に呼ばれてたけど……何か用なのか?」
「そうか。和美ちゃんに写真を渡そうと思ったんだけどな……残念。」
ああ、メイド喫茶の時のか。玲二のやつ、残念そうだな。
それにしても和美のやつ…遅いな。次の授業が始まるのに、一体何しているんだろう?
その頃、和美たちは‥‥
「ごめんなさいね、如月さん…手伝ってもらちゃって」
「いいんですよ、これくらい。よいしょっと」
樫原智美は授業の教材を運ぶのを和美に手伝ってもらっていた。
「ありがとう助かったわ。あっ、ジュースでも飲む?お礼におごるわよ」
「えっ!いいんですか?それじゃ…」
和美は智美からジュースを受け取ると麗華に言われたことを思い出した。
(和美、一度使う前に試した方がいいわよ。でもくれぐれも入れすぎないようにね)
どのくらい効くのかな?媚薬と同じらしいけど…
和美はチラッと智美を見ると、自分の持っていたジュースに気付かれないようにほんの少しだけ薬を入れた。そして、
「ねぇ樫原さん、そっちのジュース美味しそうね。少し飲ませてもらってもいい?私のも飲んでいいから」
「いいわよ、はい」
ジュースを交換する二人、和美は智美が飲むのをジッと見ていた。
そして…すぐに効果は現れた。
「あ、あれ?おかしいな…身体が熱く…」
智美は頬が赤く染まり息も荒くなっていた。明らかにいつもの智美ではなく、媚薬の効果が現れたのだろう。