朝、目が覚めると……☆第2章☆ 13
そう言って大瓶を俺に手渡した。
「あ、そうそう。フレイが持っているのは飲まないでね。あれは試作品で、飲むと性衝動が倍増するの。そうなったら…年齢や場所、状況に関係なく女性を抱きたくなるわよ。」
「……へっ?」
それを聞いて、俺は言葉を失う。やばかった……危うく飲む所だったぜ。それにしても何でフレイさんは…?
「あの子、おもしろければそれでよしという性格だから、君も苦労するでしょうね。」
「あら〜〜?それは心外だわねぇ」
その声に振り向くと麗華さん‥‥いやフレイさんが笑顔で手を振っていた。相変わらず裸だけど‥‥
「フレイ…随分とまた素敵な格好ね」
「パティさんこそ♪相変わらずの暑苦しい格好で」
なんとなく空気がピリピリしてきたような‥‥気のせいじゃないよな‥‥
「フレイ!あなた、また勝手なことをして!!なんでその薬を持っていったの?」
「あら、私は帝くんの為に持って来たのよ♪帝くんにはこれぐらいの方が良いかなぁと思って」
「嘘ね。あなた帝くんで薬の効果を試そうとしたんでしょ!」
パティさんにそう言われても、フレイさんは悪びれもせずにこう言った。
「あら?分かっちゃった?せっかく楽しめると思ったのになぁ」
「あなたね〜自分がしたこと分かってるの?許可なく持ち出したりしたら処罰の対象になるのよ。勿論、上司である私もね」
「あら?でもあなたに比べたらましなんじゃない?何しろあなたは…」
「きゃああぁぁ!!!わ、分かったわよ、私がごまかしておくから…」
いきなり大きな声で叫ぶパティさん。するとフレイさんは、
「良かったわ。ありがとうパティ♪」
フレイさん‥‥何かパティさんの弱みでも握ってるんですか?
「と、とにかく私は帰るから…フレイ!その瓶、返しなさいよ!!」
麗華さんから丸薬の入った瓶を受け取るとパティさんは帰っていった。
その際に、
『帝くん、フレイにはあまり近付かない方がいいわよ。フレイは元淫魔なの。あまり近付くと性気を吸い取られちゃうかもしれないわよ』
と言って。
フレイさん、実体化したのってもしかして‥‥俺をサポートする為じゃなくて‥‥