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朝、目が覚めると……☆第2章☆
官能リレー小説 - 学園物

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朝、目が覚めると……☆第2章☆ 12

「実体化する時だって私を・・・いえ、何でもないわ。」
「はぁ…。」

言葉を詰まらせるパティさん。何か大事な事を言いかけているような・・・。
おっと、それよりも……。
「…それで、俺に何の用なんですか?丸薬だけって事じゃないですよね?」
そう言うと、彼女はフードの中から国語辞典なみに分厚い本を取り出した。
その時にチラッと見えたパティさんの顔、一瞬だったけど眼鏡の似合う知的な雰囲気の美女。

その素顔に俺は思わず‥‥

「…そういう訳で残念だけど決定は覆らなかったの。その代わりと言っては何だけど…ねぇ、聞いてるの?…ちょっと!…何考えてるのよ、あなたは!!」
とパティさんの叫び声に我に返る俺

パティさんの見てる所は‥‥って‥‥な、何で裸なんだ!?

俺は慌てて股間を隠すが、パティさんにはしっかりと見られていたようだ。
「帝くん…君ねぇ…」
と明らかに呆れ顔のパティ。必死に股間を隠す帝だが‥‥
どうも愚息が納まらない。パティさんは呆れながら・・・。
「はぁ〜〜。思った以上に性衝動が強いみたいね。」

「…面目ない。」

「もぉ、しょうがないわね〜裸じゃだめでしょ。ほ〜ら。」

そう言ってパティさんは俺の服を取り出す。
俺は慌てて着替え終わると、パティさんがキリっとした表情で俺を見つめた。

「いい?最初から言うわよ。あなたは本当なら死んではいけないんだけど、私達が誤って死亡させちゃったのよね。」
それは最初に聞いた。俺はその時、どんなに自分が不幸だと思ったか。

「でね、天国行きまで50年間は、幽霊人生を送らないくちゃいけない。…これはわかるわよね?」

「そのために実体化の薬があるんでしょ?」

「まぁね。それでこれは、本来なら駄目なんだけど・・・私達は特例で、あなたにすぐにでも天国に行けるようにと、上層部に頼んだわけ。」

その言葉に俺の目が見開く。…天国に行ける?

「そ、それって本当ですか?」
「本当よ。だけど上の決定はNO!」

「……。」

少々ほっとしたのは気のせい?パティさんは話を続ける。

「そういう訳で残念だけど、幽霊人生50年の決定は覆なかったわ。その代りと言ってはなんだけど……。」

パティさんが、ゴソゴソとフードの中を探る。取り出したのは丸薬が入った大瓶。
「あれ?それって……フレイさんが持っているやつじゃ…。」
「そうなの?まったく…また無断で持ち出したのね。帝くん、こっちが実体化の薬だから間違えないようにね。」

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