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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 9

そして回は進み、七回まで両チームヒットがでずに、無得点のまま八回になった。
六回に打席がまわってきたが敬遠され、またしてもアレックス・カーターことAを打ち崩す事は出来なかった。
だが、ウチのエース中田隆も持ち味のストレートとカーブを主体としたピッチングで、ランナーを出しながらも相手の強力打線を何とか抑えていた。
僕もあれから二度程、守備機会があったが、何れも無難に熟した。だが、足の痛みは悪化していた。
そして動きだしたのは八回表、ただ一人二年生でレギュラーに選ばれた橘 暁がスタミナの切れたアレックス・カーターの甘いカーブを真芯でとらえ先制ホームランをたたきだしたのだ。
しかし八回裏、相手の四番打者瀬川卓人がツーアウト二塁のチャンスで同点タイムリーを打った。
勝利の期待があったところですぐに同点にされ、味方のムードが一気に下がってしまった。
なんとか相手の攻撃を断ち切り最終回の攻撃に入った。
この回は上位打線の攻撃で一番の俺からの打席だった。
マウンドには、二番手の香坂貴博が上がっていた。
アレックスとは違い、県内有数の速球派投手だ。
予想通り、ストレートでグイグイ押してくる。
ファールを一球挟み、2−2の勝負カウントになった。
そして、五球目、やや真ん中に入ってきたストレート。
俺は強振した。
「くっ!」
足に痛みが走った。
「(負けるかっ!)」
俺が精一杯振り切った打球は、セカンドの頭上を越えた。

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