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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 78

2点ビハインドで2アウト1・2塁。
つまり、ホームランが出ればサヨナラとなる。
一文字‐山田のバッテリーも、一発だけは避けようと徹底して低めのボールを続ける。
そして、2‐3のフルカウントとなった。
そこで決めにいった一文字は力んでしまい、球が抜けてど真ん中にいってしまう。
直樹はその甘い球を見逃さず、真っ芯で捕らえて見事逆転サヨナラホームランを演出した。
まさかの失投でホームランを打たれ、ガックリと肩を落とす一文字。
古谷監督は手に仕掛かった白星を落とし顔をしかめた。
これで二試合連続の逆転サヨナラ勝ちを収めた照星。
そして三回戦の対戦相手は、松戸北高校と決まった。この学校は過去最高で夏ベスト8まで進んだ経験があるが、ここ暫くは低迷している。
それだけに、照星には充分勝機がある。

茂原南戦を終えて二日後、この日も直樹達部員は土居監督の厳しい練習に耐えていた。
特に捕れそうで捕れないところに転がしてくる土居監督の神懸かったノックに部員達は翻弄されっぱなしだ。皆ユニフォームが泥だらけで足元が覚束なくなる。

そして夜になり、漸く練習が終わった。皆クタクタになりながら着替えて家路に着いて行く。
最後に部室を出た直樹が帰ろうとすると、外で一人あす香が残ってボール磨きをしていていた。
「…川崎」
ボールの量は多く、時間がかかりそうだ。あす香の姿を見兼ねた直樹は声をかけた。
「川崎、大変そうだね。俺も手伝おうか?」
「えっ!?いいよ、高橋君も疲れてるでしょ?」
「大丈夫だよ、それに一人でこの量は無理だよ」
「…でも」
「なぁに、いいからいいから」
直樹は早速ボール磨きを始めた。
「(…今私、高橋君と二人きりなんだ)」
あす香はドキドキしていた。というのも、実は直樹はあす香のタイプだったのだ。
ちなみにこの日、由美は父親が交通事故にあったという連絡を受けて早退していた。
二人でボール磨きの作業が行われる。
ドキドキしっ放しのあす香に対し、黙々と磨いて行く直樹。
そしてある時、あす香が口を開いた。
「あのぅ…高橋君?」
「ん、どうした?」
「今度の日曜日、暇かな?」
「まあ…暇だけどどうした?」
「ちょっと道具を買いに行きたいの。ほら来週試合だから道具はしっかり準備しとかないといけないじゃない。でもわたし一人じゃちょっとわかんないから。由美ちゃんも何か用事あるみたいだし。」

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