普段は冷静な藤井が珍しくはしゃぐ。
そして３番直樹を迎える。
アレックスは初球をインローのストレートから入る。
直樹はこれを見逃す。
判定はボールで０‐１。
２球目をアレックスが投じる。
ここで何と藤井がスタートを切る。
キャッチャー草野から二塁に送球されるが、タッチできずに盗塁成功となる。
続く３球目を直樹は打ちにいく。
しかし、わずかにタイミング外されてショートフライに倒れる。
ここで館山国際は野田を敬遠して、２アウト１・２塁で５番柊という状況を作る。
その５番柊は、外角の変化球を上手くセンターに弾き返して、２アウト満塁というチャンスを照星は掴む。
ここでバッターは６番橘。
第一打席こそヒットを放ったが、二打席目以降は空振り三振とショートゴロ併殺打と散々である。
そんな橘に土居監督は何か耳打ちをして打席に送る。
そして橘が打席に立つ。
アレックスは１球目を投げる。
なんとこの球が抜けて橘の左足に当たる。
押し出し死球で照星は同点に追いつく。
なおツーアウト満塁のサヨナラの場面で、バッターボックスには茅野が入った。
茅野は前の打席でアレックスに凡退している。
それだけに気合いが入る。
アレックスの初球は決まり、ワンストライク。
二球目、外角低めのストレート。それを茅野は捕らえる。
打球はレフト方向へ。レフト松下は前進。
しかし打球は、松下の伸ばしたグラブの前にワンバウンドする。
サードランナーの野田がホームベースを踏み、サヨナラ勝ち。
歓喜の輪がホームベース付近で起こる。
照星は公式戦初勝利を劇的なサヨナラ勝ちで収め、二回戦進出を決めた。

そして二回戦の対戦相手は、茂原南高校と決まった。
この学校は毎年一、二回戦止まりの弱小校である。