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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 60

「…うん、そうみたい」
あすみは気のない声で言う。
「見に行こうよ、まだやってるかもしれないし」
「ええ〜?いいよ、別に」
「いいからいいから」
美咲はあすみの腕を引っ張り、野球が行われているグラウンドに向かった。

その時、グラウンドで守る橘に打球が飛んで来た。
抜けようかという当たりを何とか、キャッチすると無理な体勢から一塁に送球した。球はやや浮き、際どいタイミング。
「アウト!」
審判の声に橘は安堵の表情を見せる。
六回裏、ツーアウト三塁の場面だった。照星は一打同点のピンチを何とか凌いだ。

「…お兄ちゃん」
兄の将介は寡黙で喜怒哀楽を表面にあまり出さない。そんな兄がふと見せた表情にあすみは複雑な心境を覚えた。

そして、七回表の攻撃。
先頭の柊はスイングアウトの三振。続く橘は初球134kmのインローのストレートを右打ちする。しかしライト高村の正面であった。
土居監督の指示は徹底した右打ち。
現在1‐0でリードしているが、相川は肘の痛みというケガがあり、そこからの復帰なので完投は難しい。
ということは控えの背番号10こと松本を出さなくてはならないが、実戦経験がないので不安がつきまとう。
だからこそリードが更に欲しい。
しかし山口にこの回も封じ込められスコアボードに0が刻まれる。
次の回、船橋中央は先頭川崎がライトへのフライを打ち上げる。
直樹は落下点に入る。
しかしこの打球が風に流されてしまい、直樹は打球をグラブに当てて落球してしまう。
なんとか内野に返すが、川崎は既に三塁に到達していた。
そして続く大西の犠牲フライであっさり同点になる。
「まずいな…」
土居監督はそう呟く。
後続は断ったが、ただでさえ堅い守りを持つ船橋中央から勝ち越し点を奪わなければならない。

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