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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 56

橘 将介の実家は剣道の道場を営んでおり彼も幼い頃から地元では有名で小学五年の頃には地元警察署に出稽古していた程の猛者であった。しかし剣道でしか自分の存在を示せない事に迷いを生じ照星に入学したのも本命の推薦に落ちてここに入った。そんな時に野球部のポスターを見て入部したのだ。無論野球に関しては中学の授業程度しか経験が無いが彼の武器は動態視力に並外れた度胸、そして脚力だった。
「橘!」
「はい!」
土居が低重音の声で呼ぶと先ほどのプレーに関してアドバイスを送る。これが彼のスタイルだ。
橘はその脚力から外野手候補だったが、直樹が守備負担軽減のため、ライトにコンバートされ、ホジションが埋まった(センターは滝川、レフトは野田)こともあり、空きとなったセカンドのホジションに入っている。
経験不足から守備はまだまだ脆いが、ケガを恐れぬガッツ溢れるプレーを見せている。

その後、後続は倒れ7回表の攻撃を終わった。
しかし、実力校木更津商業から2点を先制することに成功した。
これであと3イニング守りきれば、照星は初試合初勝利ということになる。
だが、そこは実力校。そう簡単に勝たせてはくれなかった。
8回裏、疲れの見え始めた照星先発相川を攻め、2アウトながら1・2塁とチャンスをつくる。
この場面で5番小山はセカンドゴロ。しかし、この打球をセカンドの橘がはじく。
それ故にどこにも投げられずに満塁となる。
そして6番中山を迎える。

土居監督は伝令を送り相川を落ち着かせる。
そして伝令が帰った後、相川は中山に投げる。
しかしツーシームが真ん中に入る。
相手中山はこれを見逃さずにフルスイングする。
打球は一瞬でライトスタンドに突き刺さる。
このグランドスラムで照星は大逆転を許す。
何とか後続を断ったが、9回表は本来の投球をした西田の前に三者連続三振を喫してゲームセットとなった。
照星の初陣は2‐4での逆転負けであった。
照星は初陣を飾れなかったが、実力から考えればこの敗戦は順当と言える。
それどころか、春四強を相手に終盤までリードして惜敗したのだ。上出来と言える結果だ。

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