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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 55

その男の予想通りかは知らないが、木更津商の先発メンバーに西田の名はなかった。
代わって先発するのは1年の向田という右腕投手だ。
一方の照星の先発は相川。
照星は初戦を勝とうとしてるが、相手はこの試合を調整程度にしか見てないようだ。
そして照星の先攻で試合が始まる。
向田は簡単に2アウトを取る。
そして3番直樹を迎える。
向田はアウトローのストレートから入る。
直樹はこれを見逃したが判定はストライクで1‐0
二球目はインローへのスライダー。
これはボールで1‐1
3球目はアウトハイのストレート。
直樹は打ちにいくが、空振りで2‐1
4球目はアウトコースに完全に外し2‐2。
5球目はインコースを突いたシュート。
直樹はこれに詰まらされ平凡な投ゴロに終わる。
これで1回表が終わる。
1回裏は相川がランナーを出しながらも0にしのぐ。
2回表は4番野田からだ。
しかしストレートに三振する。
こんなことの繰り返しで6回まで照星はランナーを出せなかった。
相川も粘りの投球で0で切り抜けた。
7回2アウトで直樹に打順が回る。
初球向田が投げた球がすっぽ抜け直樹はそれを逃がさなかった。快音と共に白球はスタンドへと吸い込まれた。木更津商業の監督は交代を告げると西田投手がマウンドに上がった。打席には橘 将介が入りじっと相手を見る。
「始めて聞く名前ですね?」
部下はそう言うが隆は何かを感じた……球児には無い雰囲気で双眼鏡を覗いた。


西田が初球を投げるとフォークがストライクゾーンに入りワンストライクノーボールになる。そして西田が次に要求したのがストレートだった…捕手は何かを感じ変化球で様子を見ろとシグナルを送るが彼はストレートを投げる。ストレートも厳密に言えば変化球で投げる際の動きにより回転している。橘の動体視力はそのストレートを捉えバットをおもっきり振りぬけた…それは白球をたたきつけ西田の頭上を抜けた。外野の後ろに白球が落ち彼は二塁へと滑り込む。

「あの橘って言う子……世間を騒がすぞ…」
「え?」
「あの眼は武術か何かしているな……城崎を見つけた時と同じだ」
隆は言う通りに彼は揺さぶりをかけてきた……カウント2−2の時に彼は盗塁を仕掛け慌てた捕手は三塁へと投げるが暴投となり橘がホームを踏んだのだ。
「……案外使えるな」
土居はボソと呟くがあの木更津商業相手に盗塁をかますとはとんでもない選手だ。

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