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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 54

「まあ、そうなるね。打撃だけじゃない、守備も堅いし何て言ったってこのピッチャーのフォークは落差が凄いわね。」
ビデオには確かに背番号1をつけた投手…おそらく西田だろうが彼のフォークの落差は凄い。
左オーバースローからのそれは川崎の佐々木の全盛期を凌ぐほどではないかという位落ちる。
打者もフォークとわかっていても振っている。
しかもそれだけ落差がありながらストレートも140台が普通に出るしカーブ・シュートもあるらしい。
このビデオの再生が終わると皆無言になる。
当たり前の話だが、中学にはこんな凄い投手はいなかった。
地区大会決勝で戦ったアレックスや中学時代のチームメイトの中田がかわいく見えてしまう程だった。
改めて高校野球のレベルの高さを痛感する直樹達だった。

そして五月初旬、チームとして初の対外試合となる練習試合。木更津商業高校との対決の日がやってきた。
木更津商業は過去夏ベスト16が最高の中堅校であるが、今年は好左腕西田を擁し、照星が不参加だった春の県大会でベスト4まで勝ち残った。
今回の照星戦の前に、中田が進学した東東京の強豪明法大附属高校とも対戦し、競り勝っている。
まさに悲願の甲子園へ上り調子といった感じだ。
観客席にはスカウトらしき男も確認できた……照星は新設校とは言えあの名将土居監督がこの戦国千葉で勝負をかけると言う事実はプロ球団には見逃せないし選手も九州の大砲の野田に中学で全国制覇した投手である相川をどう育ているか見逃せばスカウトしては失格なのだ。無論キラーホエールからも派遣されており野田や相川も注目だが打撃コーチのJr.である直樹の事も注目していた。スカウトらの前評価は木更津商業有利と見ていたが一人の男は照星有利と見ていた。

その男は神阪 隆でありキラーホエールのスカウト部長でもある。現役の時はキラーホエールの捕手でありキャリア官僚の道を蹴って野球界に飛び込んだ経歴がある。
「部長…幾ら何でも…」
「土居監督のもう一つの渾名はチーム再建請負人……怪我のレベルが何れもまだ浅いから勝ち目はある…それにここで一躍名を上げる子もいる可能性もある訳だ…」
「はぁ?」
その可能性は無いとは言えないがこの試合は夏の県大会に大きな影響を及ぼす可能性もあるのだ。

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