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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 45

直樹の緊張は相当なモンであり3年間付き合った顧問も呆れるほどだった。野球では図太い事で知られ中学の初試合の時なんてサイン無視で本塁に暴走した話は伝説になっている。
「由美……一発頬を叩いてやりなさい、多分落ち着くから」
由美は姉である由真にも相談すると彼女はそう言う。
「多分……達也と同じだから」
翌日、由美はうろたえる直樹を見て頬を叩くとキョトンした。
「あれ…何するんだよ?」
「こうすると大抵落ち着くって」
お陰で遂に破局かと野球部員やクラスの間で噂が飛び交う事になる。


結局、直樹自身にさしたる効果はなかった。
それどころか、訳もなく由美に叩かれ、嫌われてしまったのかと思い、へこむ直樹であった。
そして………受験当日……。直樹は吹っ切れた……「もう九回裏ツーアウト満塁でツーストライク、スリーボールで同点状態になっていると思えばいい」っと母親がボソッといって立ち直ったのである。達也と達樹も既にキャンプが始まっていたがキャンプ先でも気が気が無く選手がボールを落球すれば達樹は怒鳴るし達也もハイテンション状態であった。



そして……ある日自宅に通知が届き直樹は震えていた。そして意を決して開けると合格判定であり由美もそうだった。
「やったね!なおちゃん」
「ああ、ホントにやっちゃったなぁ…」
直樹の最終模試判定は40%だったので、起死回生のホームランと言える結果だった。
「達也さんの分も合わせて甲子園に行こうね」
直樹は頷いた。
達也の代は、三年の夏の県大会準優勝が最高だった。
いかに強豪校とはいえ、直樹達の住む千葉県は、戦国千葉と呼ばれる激戦区で、勝ち抜くことは難しいのだ。
この日はその後、蒼太から電話をもらった。
どうやら蒼太も受かったようだ。
これで三人揃って同じ高校に行く…はずだった。
ところが数日後、驚くべきことが起きた。
直樹達の受けた高校は、不手際で合格者を誤って多く発表してしまったと謝罪した。
しかも、その誤りの中に直樹が含まれていたのだ(由美と蒼太は問題なく受かっていた)。
勿論、誤りの合格者も正規の合格者とするとしたが、そのせいか直樹の行きたいというモチベーションは下がってしまった。

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