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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 42

そして……数分後、部室に飾る鏡餅が出来ると自宅の大掃除から逃げ出した達樹と達也が姿を見せる。二人もこの中学校が母校であり特に達樹にとっては恩師と出会いプロまで上り詰めた生誕の地でもある。二人とも球団には前もって餅つきに個人として参加する事は伝えており広報部からも了承を取っている訳だ。
「おっ、やっおとるなぁ〜〜〜……家の分は?」
「そんなの作ってないよ……部室の奴作ったばっかしだし……」
達也が言う。
「お前な……じゃあ、作るか……」
達樹と達也が念入りにストレッチをして杵を持つ……。
二人の目は試合に臨む選手の目になる…そして軽くつぶし捏ねると達樹が言う。
「何がぁ最下位確定だぁ!優勝してねぁ(ピー)が解説するじゃねぇえええ!」
「何がボンボンで人寄せパンダだぁ!あの(ピー)だって自分がそうで結局ただの投手でおわったんじゃねぇかぁああ!」
由美がビックリして尻餅をつく。死に体状態のOBもあっけに取られる。どうやら仕事の一つで嫌味たっぷり言われたらしく怒りを杵に託し臼の餅に叩き付ける。

「なあ、親父さんはともかく達也さんもあんな性格だったか?」
蒼太は二人の殺気じみた気迫に圧倒されつつ、直樹に尋ねた。
「い、いや、いつもはもっとクールな感じだけど……」
「やっぱり親子だな。そのうち直樹もあんな風になるのか」
「俺は母さんに似たから多分大丈夫……」
しかし直樹の口調は心なしか自信のない様子。
「どっちにしろ、今年のキラーホエールは色々と楽しみだな」
蒼太の言葉に直樹は思わず頷いてしまうのだった。
数時間後……鏡餅も出来ると二人は先輩や後輩に挨拶していた。
「いやいや、来年は優勝狙えるか!?」
「出来ればそうしたいんですが……勝負は水物ですからね」
達樹は大先輩で今は後援会長もしている男性と話していた。
「いずれは監督に?」
「私は若輩者ですからね、どうなるか…それに達也には大成しなくてもいいから客が喜んでもらえるプレーして欲しいですよ……」
達樹はそう言うと熱燗を呑む。
「そう言えば達也って誤審とかあるバッティングセンターで叫びまくって打っていたな……お陰で数人引退したそうだぞ」
バッティングセンターを経営している達也と同期の男性が言う。
「あれ?魁は?」
直樹が見渡すと打席に立ち部室から借りたバットを持つ魁…目は勝負師モードでマウントに立つ同年代の少年を見ていた。彼はサブマリン投法と呼ばれるアンダースローで硬球を投げ込みキャチャーをしているOBのミットに吸い込まれる。
「速い!」


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