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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 34

結局30分後に廊下のはしっこで気絶していた直樹をホームルームが終わった由美に起こされるまで誰も起こさなかった………と言うより起こせなかった。
「うう、由美……やりすぎだ……」
立ち上がった直樹はフラフラとしていて、今にも倒れそうだ。
「悪いのは直ちゃんと蒼太君でしょ?」
きじ……もとい、由美は冷たく言い放つ。が、冷たい口調とは裏腹に、フラフラな直樹を支えるかのように腕を優しく組んでくれた。
「あ、そうそう。直ちゃんホームルームいなかったから、先生がこれ渡しとけって……」
(誰のせいだ、誰の!)
直樹は由美の差し出した白い紙を受取りながら、そう思った。
そして紙に目を落とすとそれは……
「つ、通知表?」
まさにパンドラの箱、通知表だった。
直樹はおそるおそる目を通してみた。
成績は、国語・数学・美術・英語が2、理科・社会・技術・家庭・音楽が3・体育が5だった。
「う…。ところで由美は?」
「わたしはこれよ。」
由美の成績はほとんど4か5だ。
「なんで由美はそんなに成績良いんだ?」
「じゃあまた勉強教えよっか?」
「是非。あと今日は何時からする?」
「7時くらいかな。なおちゃんちに行くよ。」
「わかった。」
その日、直樹は由美に肩を借りて帰った。
「ジュースとか買いに行ったほうが良いよな…」
あの後、無事に家に着いた直樹は由美が来るまでにやるべきことを考えていた。
「財布は…っと…」
「直兄、入るよ?」
直樹が財布を探していると、ノックもせずに魁が部屋に入ってきた。
「ん?どうした?」
「今日おばさん出掛けるから、夕飯適当に食べてだってさ♪」
妙に明るく言う魁は、こう続けた。
「俺も友達に誘われてるから、直兄一人だし…由美さんでも呼べば?」
誰かを思い出させるかのように、にやりと不気味な笑みを浮かべながら魁は出て行った。
魁のやつ確信犯か?………いやまさか、まだ小学生だし………

「やべっ、速くしないと由美がきちゃう。」

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