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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 32

「由美…」
由美の優しさに直樹は感動した。そして二人の間でほわほわとした空気が流れたが、邪魔者が入った。
「おい!直樹っ!!」
邪魔者は、直樹に思い切り飛び蹴りをした。
「なおちゃんっ?!」
「おっ、笠原じゃん!もしかして邪魔だった?」
オロオロとする由美に普通に接する邪魔者。
「てめぇ…ふざけんなっ!蒼太!!」
痛みを堪えながら、直樹は反撃しようとするが、蒼太は軽くかわした。
「まあまあ、そう怒るなって…それで?お前はパーティーに来んのか?」
直樹は、ハッとした。
「由美とするからパス。誘ってもらったのに悪いな」
それを聞いた蒼太は修羅のごとき表情を見せた。
「ほう、お前は友情より愛情をとると?」
「い、いや、そういうわけじゃ……」
直樹の頬に冷や汗が流れる。
「しかもその口ぶりだと……今決めたな?俺の方が先に誘ったよなぁ?」
由美はますますオロオロしていた。
「や、約束だけは結構まえに……」
直樹が言い終わるのを待たず、蒼太は直樹の肩に腕を回し廊下の陰に引きずりこむ。強肩強打を誇る蒼太の腕は直樹のそれよりさらに一回り太い。
「ゆ、由美、助け……ヘルプ!ヘルプぅ〜!」
直樹は由美の方を見て必死に呼び掛けるが、由美は
「直ちゃん、頑張って!」
と、苦笑いを浮かべながら意味不明なエールを送ってくるだけだった。

「覚悟はいいか?」
蒼太がドスの聞いた声を出す。
(殺される…)
直樹は死を覚悟し目を瞑る。
「くらえ!」
蒼太の気合いの入った声が聞こえたかと思うと、額に鋭い痛みが走った。
そう、それはデコピンだった。
「っと、これくらいで勘弁してやる。っていうか、お前と笠原の仲を邪魔するほど野暮じゃねえよ。こっちはこっちで楽しくやるさ」
蒼太は溜め息をつきながら言った。
「蒼太…」
蒼太に対する恐怖はまだ残っているものの、そう言われると感動するものだ。
「んだよ…見すぎだっての!」
自分であんなこと言っておきながら照れている蒼太の顔は、ほのかに赤かった。
「サンキューな!」
「おう!それより…」
周りをキョロキョロと見回しながら、蒼太はポケットから何かを取り出した。そしてソレを直樹に渡す。
「ちゃんと使ってこいよ?」
にやりと不気味な笑みを浮かべ、蒼太は去っていった。

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